国産ブティック・ギター・ブランドのビルダーや仕掛け人たちに、音楽的なルーツやギター製作の哲学を聞いた『にっぽんのエレキ人 2026』では、各ブランドのオリジナル・ギター18本をDo As Infinityの大渡亮が徹底試奏! その試奏部分をWEBでもお届けしよう。今回はProvidenceのpH-205SRSC SOB。
取材/文=鈴木伸明 撮影=星野俊 デザイン=須藤廣高
Providence/pH-205SRSC SOB

現場を知るプロが作り上げる、“仕事の相棒”
プロビデンスは、1996年にパシフィクスが設立したブランドで、大ヒットしたスイッチャー・シリーズや高品質ケーブルでも知られている。ギター本体も実験的に製作しており、いくつかのプロト・モデルを経て2004年に正式にギター・ブランドとしてもスタート。その後ギター・セットアップの草分け的存在の志村昭三との協業を開始し、今剛のシグネチャー・モデルを始め、高品位なモデルが注目を集めている。
試奏したのは、プライマリー・ライン・シリーズのニュー・モデル。今剛が愛用するHeartbreakerと同シェイプのアルダー・ボディだ。ネックはメイプル、指板はローズウッド。ピックアップは、オリジナルのミニハム、シングル、ハムの組み合わせ。志村昭三と野中卓弥(パシフィクス)のコンビ、カリヤ・ピックアップなどとの共同開発による、上位機種でも採用されているモデルを搭載。ミニ・スイッチでタップ切り替えが可能となっている。

Builder’s Voice

志村昭三 このボディのデザインはプロビデンスの奥野さん。そこからコントロールのレイアウトやジャックの位置とかは、俺がいろいろと意見をしながら作っていきました。ピックアップは、カリヤ・ピックアップの刈谷(稔)などと開発したもので、俺のプレイヤーとしての意見を反映してもらっています。バイタライザーはプロビデンスらしい、アンプまで届けるための電気信号を最適化する回路で、今剛はこれはずっとオンにしているね。
Owatari’s Impression
よく考えられた音楽的なピックアップ構成

大渡亮 生音はシャキッとしています。アンプを通すと、ギターの鳴りが伝わってくる素直なトーン。ミニ・ハムバッキング、シングルコイル、ハムバッキングという珍しい組み合わせで、見た目はバラバラに見えますが、音を出してみると非常にバランスがいい。よく考えられた音楽的な組み合わせだと思いました。
特にフロントをミニ・ハムバッキングにすることで、全体のバランスがとれているような気がします。リアのハムをタップしたサウンドも使いやすい。曲によっては、タップしたシングルのまま使うのもありですね。ひと昔前はハムのタップを使わない人が多かったけど、これはその先を行っている使えるトーンです。
ネックは平らでテクニカル系の人が好む形状。アルダー・ボディはそれなりに重さがあり、それによって中域から低域にかけてしっかり音が出ている気がしました。とてもバランスがいいので、どんなジャンルでもこのギター1本でカバーできるでしょうね。
Brand Information
ブランド設立:2004年
所在地:神奈川県横浜市
問い合わせ:info1@pacifix-ltd.com
公式HP:www.providence.jp