国産ブティック・ギター・ブランドのビルダーや仕掛け人たちに、音楽的なルーツやギター製作の哲学を聞いた『にっぽんのエレキ人 2026』では、各ブランドのオリジナル・ギター18本をDo As Infinityの大渡亮が徹底試奏! その試奏部分をWEBでもお届けしよう。今回はSAITO GUITARSの622BEYOND Trans Red。
取材/文=鈴木伸明 撮影=星野俊 デザイン=須藤廣高
SAITO GUITARS/622BEYOND Trans Red

オール・ジャンルに対応可能な最高級の“道具”
ギター・リペア、ピックアップの製造販売を行なっていた齋藤楽器工房が自社ブランドSAITO GUITARSのオリジナル・モデルを登場させたのは2014年。“シンプルで美しい道具”をコンセプトに掲げ、機能美を追求した演奏性の高いモデルを世に送り出してきた。
今回試奏した622BEYONDは、最高級フラッグシップ・モデルとして開発されたモデル。ホンジュラス・マホガニーのボディ・バックは、左右を大胆に削り出したホロウ構造となっており、トップのシトカ・スプルースはFホールが開けられた緩やかなアーチ状になっている。ネックはメイプル、指板はエボニー。ピックアップはオリジナルのVanquishを2基搭載。P-90タイプの芯のしっかりした芳醇な響きは、ラップアラウンド・タイプのゴトー製ブリッジ510UBによるレスポンスの良さと相まって、ジャズからハードなサウンドまで、オール・ジャンルに対応可能だ。

Builder’s Voice

杣 音仁 ホロウ・ボディにラップアラウンド・ブリッジを搭載し、ジャズ・ギターとソリッド・ギターのハイブリッドを目指した仕様です。ブリッジやネックの角度、エスカッションの高さなど、プレイ時に違和感がないように細かい部分も考え抜いてあります。ラッカー・フィニッシュの仕上げにも注目してほしいです。サウンドに関しても一切妥協はなく、自社で作れることの強みを活かして、ピックアップの巻き数にもこだわっています。
Owatari’s Impression
繊細なタッチが出る、ベテラン向きの逸品です

大渡亮 シンプルで男らしいルックスですね。非常に軽いです。P-90が2発、ラップアラウンド・ブリッジというと、1950年代のレス・ポールやレス・ポール・スペシャルに近い仕様。ホロウ・ボディという点では、ES-330などにも近いのかな?
ネックは厚みがあって、頼り甲斐があるタイプ。ホロウ・ボディのせいかかなり軽くて、SGタイプの感じにも近いと思いました。アンプを通すとモダンかなと思いきや、ビンテージ寄りのトーンです。かなり粘るサウンドで、思ったよりもロックに弾けますよ。弾き込んでいくとどんどん成長していくようなイメージがありますね。
ジャズ系、ソウル系にも向いていると思いますが、個人的にはビンテージ・ロックを弾きたい。おそらくラップアラウンド・ブリッジのレスポンスの速さがそういうイメージを作り出しているのかもしれません。繊細なタッチが音にすぐ出るので、ベテラン向きのギターだとは思います。
