国産ブティック・ギター・ブランドのビルダーや仕掛け人たちに、音楽的なルーツやギター製作の哲学を聞いた『にっぽんのエレキ人 2026』では、各ブランドのオリジナル・ギター18本をDo As Infinityの大渡亮が徹底試奏! その試奏部分をWEBでもお届けしよう。今回はStyle-S-GuitarのModel “Style-S” SS-09。
取材/文=鈴木伸明 撮影=星野俊 デザイン=須藤廣高
Style-S-Guitar/Model “Style-S” SS-09

細部までこだわり抜かれた圧倒的個性
神奈川県藤沢市を拠点とするギター・ブランド、スタイルSギター。オーダーメイド製作に加えて、カスタム・モディファイ、リペアなども手がけるギター工房だ。Model “Style-S”はオリジナル・モデルだが、プレイヤーの要望に合わせて設計や仕様を変更するため、同じスペックのギターは2本とないという。細部まで追い込んだ独創的なデザインが大きなポイントだ。
試奏したモデルは、すでにオーナーの手に渡った1本で、メイプル・ボディ、メイプル・ネック、エボニー指板、スケールはロングとミディアムの中間スケール638mmを採用。ネックにはバインディングが施されており、ピックアップはセイモア・ダンカンSTK S6(フロント)、TB-5(リア)を搭載。ブリッジは既存の様々なパーツとハンドメイドのアルミ削り出しユニットで組み上げている。フィニッシュはブルー・ストーン・プラスで、独創的なカラーリングと個性的なデザインが大きなインパクトを放つ。

Builder’s Voice

森田 茂清 お客様のご要望によりボディは若干重めのソフト・メイプルを選択、レンジの広さと輪郭のハッキリした音像を狙っています。ネックはハード・メイプルでグリップは若干太め。ブリッジはサドル・エンド部にアルミ・ユニットを組み合わせることでアルミ・テイルピース的なニュアンスを狙うと同時に、楽器の顔となるブリッジ部分に大きな個性を持たせています。このモデル初の24フレット仕様でもあり、ブルー+シルバーの特殊塗装、形状、サウンド共に実用性とオリジナリティにこだわった1本です。
Owatari’s Impression
ビンテージ・ロックでも使える純粋に良い音です

大渡亮 メイプル・ボディだから重量はありますが、持ったバランスはとても安定していてフィット感があります。ネックは少し厚めですが、握りやすく、テクニカルなプレイもしやすい。生音は硬めではなくてオーソドックスな鳴りで、アンプを通した音は、まとまりがあってナチュラルなトーンです。フロントのシングルには粘る感じがあって、リアのハムバッカーとのバランスも実に考えられていますね。リアをタップしたスタックのシングルの音もパワーがあって使いやすいです。センターの音も使えますね。
ゲインは高めだけど、思いのほかビンテージ系のオーソドックスなトーンです。純粋にいい音。こういうルックスのギターはあまり弾いたことがないんですが、とても好印象のサウンドでプレイしやすい。バッキングはリアでパワフルに、ソロはフロントで繊細に弾きたくなります。モダンなロック系の人だけでなく、ビンテージ・ロック好きのプレイヤーにもおすすめしたい1本です。
