国産ブティック・ギター・ブランドのビルダーや仕掛け人たちに、音楽的なルーツやギター製作の哲学を聞いた『にっぽんのエレキ人 2026』では、各ブランドのオリジナル・ギター18本をDo As Infinityの大渡亮が徹底試奏! その試奏部分をWEBでもお届けしよう。今回はT’s GuitarsのDST-Hollow22 ソエジマトシキ Model。
取材/文=鈴木伸明 撮影=星野俊 デザイン=須藤廣高
T’s Guitars/DST-Hollow22 ソエジマトシキ Model

ネオソウル・ギタリストが求めた音の使いやすさ
ティーズギターは、長野県塩尻市に工房を構えるギター・ブランド。代表の高橋謙次は、アメリカ西海岸でのリペア経験などを生かして1987年よりブランドをスタートさせた。2003年に日本国内では初めてバズ・フェイトン・チューニング・システム公認ショップとなったことでも知られている。
試奏したモデルは、本誌でもお馴染みのネオソウル・ギタリスト、ソエジマトシキのシグネチャー・モデルで、DSTシェイプをベースにホンジュラス・マホガニーのホロウ・ボディ&ネック、5Aエキゾチック・メイプルのボディ・トップというハイスペックな仕様となっている。ピックアップは、オリジナルのハムバッキング・サイズのP-90タイプを2基搭載。本器にもバズ・フェイトン・チューニング・システムを採用。鮮やかに浮かび上がったフレイム・メイプルの杢目と個性的なFホールのデザインが見事で、独特の雰囲気を醸し出している。

Builder’s Voice

金澤 英治 リリース時のモデルにはハムバッカーDH-250が載っていたんですが、ソエジマトシキさん本人の希望でP90タイプに変更しました。ソエジマさんらしいクリーン・トーンを出すためにホロウ・ボディでエア感を出しつつ、倍音の煌びやかな成分が心地良く聴こえるように設計しました。フル・ホロウではないので、歪ませても芯が残ってくれると思います。なので、幅広いジャンルで使える1本に仕上がっています。
Owatari’s Impression
ソウル系はもちろん、いろいろ使いどころがある

大渡亮 ホロウ・ボディなので生音の響きがいい。アンプを通した音は、ハムバッカーよりも滑舌がよくてレスポンスがいいですね。ホロウ・ボディのせいか、音に粘りを感じます。僕が持っているギターにはない音で、新しい方向性を感じますね。ソエジマトシキさんのモデルらしく、クリーン・トーンにしてソウルっぽいフレーズを弾くとしっくりきます。特にセンター・ポジションは、ピッキングのニュアンスをしっかり出せて、使いどころがありそうです。
ネックはそれなりに厚みがあってとても弾きやすい。ジョイントに大胆なヒールレス加工が施されているので、ハイ・ポジションまでスムーズにプレイできます。特筆すべきは軽さで、長時間弾いても疲れないですよ。このシェイプのホロウ・ボディにP-90タイプのピックアップが載っているギターって、ありそうでなかったような気がします。個人的にはピックアップをセンターにしてクランチのアルペジオで使ってみたいです。
