2年ぶりの新作『Something Worth Waiting For』をリリースし、7月に開催された『FUJI ROCK FESTIVAL ’26』に出演したフリコ。これまでサポートを務めていたコーガン・ロブ(g)とデヴィッド・フラー(b)を正式メンバーに迎え、新たに4人体制となったフリコのステージは多くの観客の心をつかんだ。本記事では、『FUJI ROCK FESTIVAL ’26』でニコ・カペタン(vo,g)とコーガン・ロブ(g)が使用したギターをご紹介。
取材・文=小林弘昂 通訳・翻訳=川原真理子 機材撮影=小原啓樹
Niko Kapetan’s Guitar
Handmade
TL Type

父親と組み上げた
テレキャスター・シンライン
2025年の初頭、ニコとギター職人の父親が様々なパーツを用いて組み上げたシンライン。メインのジャズマスターと同じく、ニコはパーツの詳細を詳しく知らないとのこと。ボディにはレリック加工が施されており、ネックは裏側の塗装やデカールが剥がされていた。
ライブでは変則チューニング(D-A-D-E-B-E/Capo 4)の「Choo Choo」などで手にしている。
ピックアップはフロントにハムバッカー、リアにフラット・ポールピースのシングルコイルを搭載。ニコは常にリアを選択している。
ブリッジ・プレートはフェンダーのもので、サドルは6〜5弦のみスチール製、残りの2つがブラス製という組み合わせ。

ピックアップ・セレクター・ノブとボリューム・ノブがはずれた状態だった。
Korgan Robb’s Guitar
2021 Fender
Troy Van Leeuwen Jazzmaster
ニコから贈られた
トロイ・ヴァン・リューウェン・モデル
コーガンのメイン・ギターはAmerican Vintage Ⅱ 1966ジャズマスターなのだが、変則チューニングの「Choo Choo」ではニコから贈られたというトロイ・ヴァン・リューウェン(クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ)のシグネチャー・ジャズマスターを使用。
ピックアップはどちらもLollar PickupsのP-90 Jazzmasterに交換されており、コーガンはこのサウンドを気に入っているとのこと。リア・ポジションのみを選択している。
ブリッジ・サドルは1弦のみ交換されていた。また、ブリッジはかなり高めにセッティング。コーガンはブリッジのうしろの弦を弾くのが好きだそうで、「Choo Choo」などで激しいピッキングを行なっていた。

プリセット・コントロールの配線はカットされ、スイッチ類もすべて取り除かれていた。
Korgan Robb’s Picks

コーガンのピックは、Jim DunlopのTortex Standard .73mm。ペダルボード内にピック・ケースが設置されていた。
Interview
ジャズマスターの魅力は
ブリッジ・ピックアップだよね。
──ニコ・カペタン
今回のフジロックで使用したギターを教えてください。
コーガン ジャズマスターのほかに、新しいスティール・テレキャスターを手に入れたんだ。ホロウ・ボディで、伯父(叔父)の大学時代の友達が作ってくれたんだよ。素晴らしい音が出るから、これで新曲をたくさん作っている。これまであまり使ったことのない新しいサウンドなんだよね。ライブではDeluxe Reverbに通して弾いたよ。
ニコ 僕はジャズマスター、Seagullのアコースティック・ギター、シンライン、黄色いテレキャスターだね。Seagull以外は父親がカスタムしたんだよ。父親は趣味でギター職人をやっているんだ。
コーガンがジャズマスターを使用する理由は?
コーガン いろんなサウンドをすぐに出せるところかな。アームもすごく楽しいし、ブリッジのうしろの弦を鳴らすのも気に入っているよ。
ニコ ジャズマスターの魅力はブリッジ・ピックアップだよね。
コーガン そう。ブリッジ・ピックアップがとってもパワフルなんだ。ジャズマスターは弾き心地が良いんだよ。すんなり馴染む。
ニコ 一番クールなギターかもしれない。
コーガン そうだね。
ジャズマスターの改造点はありますか?
コーガン サドルのスクリューは世界一最悪のものだから取りはずしたんだ。弦落ちしてしまうからね。そのほかは全部そのままだよ。ダーク・レッドのジャズマスターはLollarのピックアップに交換していて、これが素晴らしいんだよね。
ニコのSeagullのアコースティック・ギターには、マグネティック・ピックアップが搭載されているようですね。
ニコ つい最近、手に入れたものだよ。アクティブで……今スマホで検索してもいいかな? そうすれば名前がわかるから。(日本語で)チョットマッテクダサイ……L.R.BaggsのM1Aだ。
コーガン ニコのアコースティック・ギターは、ライブではペダルボードとアンプに通しているんだよ。ライブで2ndアルバムの曲をやる時、ニコはアコギを弾くことが多いんだけど、レコーディングではエレキを弾いていたことに気づいてね。だから、アコギでもディストーション・ペダルを使って両方やればいいと思ったんだ。
ニコ そう。ライブではディストーション・ペダルの前にDIを置いていて、ディストーションを踏むとアンプからの出音に歪みがかかる。DIからの出音はドライかつクリーンなんだ。ニュートラル・ミルク・ホテルみたいな感じだね。
ニコは前回の来日公演で、ゴールド・フォイル・ジャズマスターや改造されたテレキャスターも使っていましたよね。それらはどのように使い分けていますか?
ニコ ゴールド・フォイルは一番クリーンだし、おそらく一番信頼性が高いんじゃないかな? でも、なぜか今はあまり使っていなくてね。黄色のテレキャスターは父親がモディファイしたもので、こっちはいまだに使っているよ。オープンDチューニングの曲(「Crimson To Chrome」や「Chemical」)で弾いているんだ。
コーガン 変則オープンDだから、みんなが知っているオープンD(D-A-D-F♯-A-D)じゃないよ(笑)!
ニコ オープンDにしたら、とってもビッグで低音が効いた音になって、テレキャスターがパワーアップしたんだ。
まさにギターのチューニングについて聞きたかったところです。ほかにはどんなチューニングを使っていますか?
ニコ 「Choo Choo」はすごく変わったチューニングだよ。
コーガン だから僕はツアー中、ずっと間違って弾いていたんだよね(笑)。
ニコ そう。間違ったチューニングで弾いていた。正しくはD-A-D-E-B-Eでカポ4だよ。
コーガン 最近になってやっと正しくやれるようになったんだ。
ほかの曲はレギュラー・チューニングがメインですか?
ニコ ニュー・アルバムではどうだったかな?
コーガン 「Green Diamond」はオープンG(D-G-D-G-B-D)だね。「Dear Bicycle」ではGをF♯(E-A-D-F♯-B-E)に下げている。
ニコ そう。レギュラーのGをF♯にしているんだ。「Hot Air Balloon」はE-A-E-G-B-Eだね。
コーガン カポもいろいろ動かしているよね?
ニコ そうそう。「Seven Degrees」の最後のところで転調するんだけど、そのタイミングでカポを3フレットに付けるんだ。
コーガン 「Something Worth Waiting For」でも同じようなことをやっているよね。途中でカポを2フレットから5フレットに動かしているよ。
作品データ

『Something Worth Waiting For』
フリコ
ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ
ATO0709CDJ
2026年4月24日リリース
―Track List―
01. Guess
02. Still Around
03. Choo Choo
04. Alice
05. Certainty
06. Hot Air Balloon
07. Seven Degrees
08. Something Worth Waiting For
09. Dear Bicycle
10. Necessary(Bonus Track)
11. Dirty Diamond(Bonus Track)
―Guitarists―
ニコ・カペタン、コーガン・ロブ
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