追悼 ロビー・ロバートソン 1943-2023
ザ・バンドを愛した至高のアンチ・ヒーロー
ロビー・ロバートソンが、去る2023年8月9日に亡くなった。彼が牽引したザ・バンドは、代えがたいグループだった。1960年代後半の狂騒的なロックの蠢きに耳を塞ぎ、独特で豊穣なアメリカン・ミュージックをひたすらに作り続けた。今日のアメリカーナにおける1つの指標ともなったそのエバーグリーンなサウンド、そして5人のメンバーのあまりにも有機的な演奏に、様々なミュージシャンが憧れ、真似しようと試みた。でも、誰もできなかった。正真正銘、ザ・バンド固有の音楽だったのだ。
そのソングライターでギタリストだったロビーは、1人のギター弾きとして簡単に形容できない人だった。ムード重視の黒子のようなプレイでアンチ・ヒーロー的な姿勢を示したかと思えば、癖の強いエキセントリックなフレーズで強烈な個性を見せつける。ステージに上がれば、ボブ・ディランらのバック・バンド時代に鍛え上げた力を解放し、溢れんばかりの感情で、聴き手を強く揺さぶる。またザ・バンドが解散したあとは、映画のサウンドトラックを手がける知的な創作者として知られた。
……とどのつまり、ロビー・ロバートソンとは一体、なんだったのだろう? 彼のギターが人々の心に刺さるその理由とは? 故人が残した足跡に精一杯の敬意を表し、これ以上ない大ボリュームでその秘密を探っていきたい。
序文:みんなザ・バンドに憧れた 鈴木茂
特別対談 直枝政広(カーネーション)× 曽我部恵一(サニーデイ・サービス)
INTERVIEW ARCHIVES:ロビー・ロバートソン、その旅路の回顧録。
- Part.1 2019年 ロニー・ホーキンスやディランと奮闘した若き日を語る。
- Part.2 1995年 “かつての兄弟”とたどるザ・バンドの葛藤と特異性について。
- Part.3 2011年 謎に包まれた音楽ルーツとプレイ・スタイルの秘密を明かす。
ロビー・ロバートソン、その生涯
鈴木健太(D.W.ニコルズ)が紐解くザ・バンド大名盤 徹底プレイ解説
- 『Music From Big Pink』
- 『The Band』
- 『Stage Fright』
- 『Northern Lights – Southern Cross』
- 『The Last Waltz』
インタビュー:鈴木健太が語るロビー・ロバートソンの基本プレイ・スタイル
生涯に残したさらなる必聴作、29枚。
ロビーとその愛器たち
インタビュー:ノーマン・ハリス(ギター・トレーダー)
インタビュー:トッド・クラウス(フェンダーカスタムショップ シニア・マスタービルダー)
COLUMN
- ザ・バンドの“核心”の形成と周囲への音楽的波及。
- “ラスト・ワルツ”見聞録 室矢憲治
- ライブ・バンドとしての格を高めたギター・プレイ
- 映画音楽における表現者ロビーの歩み。
- ロビー・ロバートソン全仕事リスト
GM SELECTIONS(※電子版には掲載されません)
- 「The Last Waltz Suite: The Weight(feat. The Staples)」ザ・バンド
- 「Ophelia」ザ・バンド
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