サトウカツシロ(BREIMEN)がUniversal Audio / UAFX Enigmatic ’82 Overdrive Special Ampの実力をチェック! サトウカツシロ(BREIMEN)がUniversal Audio / UAFX Enigmatic ’82 Overdrive Special Ampの実力をチェック!

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サトウカツシロ(BREIMEN)がUniversal Audio / UAFX Enigmatic ’82 Overdrive Special Ampの実力をチェック!

Universal Audioが手がけるUAFXのアンプ・シミュレーター・シリーズ。これまでフェンダー系、VOX系、マーシャル系といったトラディショナルなアンプの再現ペダルを発表して世界中のユーザーから高評価を得ていたが、このたび伝説のダンブル・アンプを再現した最新機種、Enigmatic ’82 Overdrive Special Ampをリリース。ダンブル・アンプは70年代よりミュージシャンからのオーダーのみでハンドメイド製作されていたもので、そのサウンドを知るギタリストは少ない。その実力を探るべく、サトウカツシロ(BREIMEN)による試奏を行なった。

製品解説=村田善行 取材・文=小林弘昂 人物撮影=小原啓樹
※本記事は、ギター・マガジン2024年12月号に掲載した特集の一部を抜粋し、再編集を施したものです。

Universal Audio
UAFX Enigmatic ’82 Overdrive Special Amp
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サトウカツシロ(BREIMEN)

Universal Audio
UAFX Enigmatic ’82 Overdrive Special Amp

Universal Audio / UAFX Enigmatic ’82 Overdrive Special Amp

幻のダンブル・アンプを再現した
UAFX待望のニュー・モデル

世界中で高い評価を得ているUniversal AudioのUAFXアンプ・シリーズのラインナップに、ついにあのダンブル・アンプを再現したモデル、Enigmatic ’82 Overdrive Special Ampが加わった。

ダンブル・アンプは、アレクサンダー・ハワード・ダンブルというビルダーがミュージシャンからのオーダーを受けて1台ずつハンドメイドで製作していたアンプで、古くはカルロス・サンタナ、ラリー・カールトン、スティーヴィー・レイ・ヴォーン。現代ではロベン・フォード、ジョン・メイヤー、ジョー・ボナマッサ、キース・アーバンなどのスター・プレイヤー、そしてマイケル・ランドウ、サニー・ランドレス、ベン・ハーパーなど、卓越したプレイだけでなく、そのトーンと奥深い音楽性で世界を魅了するギタリスト/ミュージシャンが使用するアンプである。

このEnigmaticは、歴代のダンブル・アンプの中でも特に人気が高い1983年頃に製作された“Overdrive Special”というモデルがベースとなっている。だが、それだけではない。UAFX独自の技術、そしてアプリ(UAFX Control)を連動させることにより、これまで非常に再現が難しかった70年代から90年代までの歴代ダンブル・アンプの音色も作り出すことができる。

スタイルに合わせて3つのTONEを切り替え

TONEスイッチ

ダンブル・アンプのアイコンとも言えるROCK/JAZZスイッチは、ゲインだけでなくトーン回路を切り替えることができ、もちろんEnigmaticでも細密にそのサウンドを再現。

ROCKがアグレッシブなキャラクターで歪み向き、JAZZはクリーン系でパンチのあるバッキング向きと言えるだろう。

ダンブル・サウンドの特性は基本的にフェンダー・アンプの延長線上にあるが、オーダーするミュージシャンの個性に合わせて1台ずつカスタマイズされている。

理想のアンプをカスタマイズできるCUSTOMチャンネル

UAFX Controlの画面

アプリと連動したCUSTOMチャンネルでは、アンプの基本的なキャラクターをドライブ・サウンド寄りにするか、クリーン/クランチ寄りにするかというROCK/JAZZの設定のほか、アンプの電源トランスで生まれる微妙なコンプレッションやサチュレーション、弾き心地を再現した“Amps”という項目も用意されている。

さらにダンブル・アンプのもう1つのアイコンとも言える“FET INPUT”を選択できるだけでなく、実機のアンプでは難しいFETゲインなども調整が可能。

合計9つのスピーカー×マイクの組み合わせ

CABスイッチ

もう1つ注目したいのが、UAFXの真骨頂とも言えるスピーカー/マイク・シミュレーション(以下、SP/MIC)の素晴らしさ。

本体だけで3種類のSP/MICが切り替え可能だが、ユーザー登録をすると合計9種類のシミュレーションが選択ができるようになる。

ダンブル・アンプと相性の良いElectro-VoiceやJBLスピーカーの音色はもちろん、多くのギタリストに馴染み深い1×12、2×12、4×12を含むラインナップを備えている。“絶対にリアル・アンプ派!”という皆さんでも、このクリーンや“永遠に続くドライブ・サウンド”を試してしまったら、“ラインでもここまでリアルにギターとプレイヤー自身の音を再現できる時代になったのか!”と唸ってしまうことだろう。そしてこのSP/MICシミュレーションと緻密なアンプ・モデリングの組み合わせにより、夢にまで見たダンブル・アンプのサウンドが体験できるのだ。

Sato’s Impression

サトウカツシロ

音の歴史を勉強するうえでも
非常に重要な資料になる。

今日はEnigmaticからDIを通してモニター・スピーカー出力、ライン録音で試奏していただきました。弾いてみた第一印象は?

本物のダンブル・アンプは“誰が弾いたことあるねん!”って感じですけど(笑)、Enigmaticはめっちゃダンブルでした。特に音がまとっている立体感とか、クリーンと歪みの垣根があんまりないところとか、イメージしていたダンブルに近かったですね。今はダンブルの音をシミュレートしたオーバードライブやアンプ・シミュレーターがたくさんありますけど、ここまでのものはなかったです。

カツシロさんの演奏を聴いていて、タッチのニュアンスへの追従性、ギター本体のボリュームへの追従性が実機のアンプを弾いているようにリアルだと思ったんですよ。

生の感覚と近いですね。シミュレーターなので、もちろん実機のアンプを鳴らしている感じとまったく同じではないんですけど、限りなくリアルに近い。UAってレコーディング機器に強いメーカーじゃないですか? やっぱり録り音というか、レコーディングした時の音のクオリティの高さが考えられているし、実際に録り音を聴くと“ダンブルじゃん!”みたいな感じだったんですよ。

ROCK、JAZZ、CUSTOMの各チャンネルをそれぞれ試していただきました。ROCKチャンネルの印象はどうでしたか?

凄いです。イメージしていた、聴いてきたダンブルの歪みが自分から出てきたというか。ピッキングに対する速さや食いつき、余韻も素晴らしかったですし、かっこいい音でしたね。

では、クリーン/クランチ系のJAZZチャンネルは?

今日はジャズマスターを使ったんですよ。あんまりジャズマスターでダンブルを弾いている人がいないのでわからないんですけど、ストラトで弾いたら“マジで「あの音」がするんじゃないか?”と思いました。もともとの音がわかりやすいし、パラメーターがいっぱいあるので、いくらでも設定を追い込めますからね。

CUSTOMチャンネルは、アプリを使ってユーザーの理想とするダンブル・アンプを作れる夢のようなモードです。

これは“ハワード・ダンブルさんになってみよう”っていうことですよね。1つ1つのパラメーターの効きは実機に近いんだろうな。あまり体感したことのない効き方だったので凄く面白かったですし、とにかく勉強になりました。そこが素晴らしい。実機のダンブル・アンプはなかなか弾けないですけど、クオリティ高く再現したものをこうやって手軽に触れられて、かつリアルな操作性と具体的なパラメーターをいじれるのは音作りの勉強にもなるし、すなわちギターの歴史の勉強にもなるなと思いました。

電源トランスの違いでキャラクターが変化する“Amps”はいかがでしたか?

ほかのアンプ・シミュレーターでもこういう機能はありますけど、ここのクオリティも高くて“流石だな”と感じましたね。僕的には“50W High Plate”で弾いている時が好きでした。100Wもかっこよかったんですけど、レンジのまとめ方が難しい。でも、ここも時間をかけて追い込んでいったら、それぞれで絶対に良い音が作れると思いますね。

9種類のスピーカーとマイクの組み合わせで、気に入ったものはありましたか?

Vintage 30をシミュレートした“4×12 UK V30”ですね。ダンブル・アンプは弾いたことがないけど、安心感があったというか(笑)。一番弾き馴染みがあって良かったです。そのあと“2×12 D-EV12”に変えたら一気にブティック・サウンドになりましたね。あれもストラトを使って設定を追い込んでいったら、鈴鳴りなんてものじゃない、ギャリンとした音になるんじゃないかな。

最後に、Enigmaticはどんなプレイヤーにオススメですか?

実機のダンブルを触れる人なんてそういないですけど、これがあれば誰でもダンブルを疑似体験できる。音の歴史を勉強するうえでも非常に重要な資料になると思うので、僕的にはすべてのギター・プレイヤーにオススメしたいですね。

Universal Audio
UAFX Enigmatic ’82 Overdrive Special Amp

【スペック】
●コントロール:【前面】VOLUME(ROOM)、OVERDRIVE(RATIO)、OUTPUT、BASS(DEEP/MID)、MIDDLE(PRESENCE)、TREBLE(BRIGHT)、CABスイッチ(GB25/D65/EV12)、ALTスイッチ(ALT/AMP/STORE)、TONEスイッチ(ROCK/JAZZ/CUSTOM)
【背面】Bluetooth PAIRスイッチ
●入出力端子:インプット×2、アウトプット×2、USB Type-C端子
●外形寸法:92(W)× 141(D)× 65(H)mm
●重量:605g
●電源:センター・マイナス9Vアダプター(400mA以上)

【参考価格】
希望小売価格:63,800円

【問い合わせ】
フックアップ https://hookup.co.jp/products/universal-audio/uafx-enigmatic-82-overdrive-special-amp

BREIMEN
LIVE INFORMATION

BREI Ⅱ MEN TOUR 2024

≪TOUR SCHEDULE≫

・11月4日(月・祝)札幌ペニーレーン24
w/KIRINJI

・11月9日(土)名古屋ダイアモンドホール
w/Kroi

・11月22日(金)大阪なんば Hatch
w/.ENDRECHERI.

・11月29日(金)東京Zepp Haneda
w/TOMOO

※情報は記事公開時のものです。最新のチケット情報や公演詳細はBREIMEN公式HPをチェック!

「BREI Ⅱ MEN TOUR 2024」特設サイト
https://www.brei.men/brei2men/

ギター・マガジン2024年12月号
表紙/改造ギターの誘惑〜たとえば、エディ・ヴァン・ヘイレンとフランケンシュタイン〜


2024年11月13日(水)発売