アメリカのシューゲイザー・バンド、ナッシングが待望の新作『a short history of decay』を携え、2026年2月8日(日)と9日(月)に来日公演を行なった。本記事では、カム・スミス(g)が本公演で使用したギターをご紹介。
取材・文=森部真衣 通訳=トミー・モリー
Cam Smith’s Guitars
2016 Fender
Deluxe Roadhouse Stratocaster
花柄のペイントが描かれた
モダンなストラトキャスター
『The Great Dismal』(2020年)以降のドロップC♯チューニングの楽曲で使用しているメキシコ製ストラトキャスター。
ドミニクとドイルがジャズマスターを使用していること、カムの小柄な体格にはジャズマスターがアンバランスに見えてしまうという理由からストラトキャスターを使用しているそうだ。
7年前に中古で購入した時点ですでにペイントが施されていたそうで、所有しているギターの中では最も安価だったという。花びらの部分は親指で塗ったような跡が残っている。
ドミニクはかつて、スマッシング・パンプキンズの『Siamese Dream』(1993年)のサウンドに憧れており、ナッシングの初期のアルバムでリア・ピックアップにハムバッカーを搭載したモデルを使用していた。そのためドミニクは、“カムがこのストラトを演奏してくれることで、昔のサウンドが戻ってきたような気がする”とコメント。
本器はV6ロータリー・スイッチとオンボード・プリアンプを搭載しており、シングルコイル特有のサウンドからリード・トーンまで幅広い音作りが可能なモデル。ボリューム・ノブに仕込まれたS-1スイッチにより、プリアンプをバイパスすることもできる。
カムの本器のお気に入りのポイントは、ロック・ペグとピックガード。
半年前にリア・ピックアップをSeymour DuncanのHot Rails Strat(シングル・サイズのハムバッカー)に載せ替えたそうで、サウンドもかなり気に入っているという。
Fender
Stratocaster
多彩なパーツで組み上げた
唯一無二のSTタイプ
アラバマ州で楽器店を経営しているカムの継父が、製造年が異なるパーツを組み合わせて制作したというストラトキャスター。ナッシングの初期の楽曲を演奏する際に、レギュラー・チューニングで使用される。
メイプル・ネック、ブレット・トラスロッド、3点留めネック・プレートという70年代の仕様。
ブリッジはハードテイル仕様。バンドのサウンドにはそぐわないものの、“かっこいいから許している”とのこと。

スタッガード・ポールピースのピックアップについてもモデル名は不明。カムによると、シングルコイルはクリーン・サウンドやエフェクトのノリも良いため、シングルコイルであれば特にこだわりはないという。
カムはおもにセンター・ピックアップ、またはセンターとリアのハーフ・トーンを使用しているとのこと。なお、ピックアップ・セレクターのノブはドミニク(vo,g)に曲げられたという。ギターに限らず、ペダルなどの機材も踏みつけられて壊されることが多いそうだ。
作品データ

『A Short History of Decay』
ナッシング
Run For Cover Records
RFC295JCD
2026年2月27日リリース
―Track List―
01. never come never morning
02. cannibal world
03. a short history of decay
04. the rain don’t care
05. purple strings
06. toothless coal
07. ballet of the traitor
08. nerve scales
09. essential tremors
―Guitarist―
ドミニク・パレルモ、ドイル・マーティン、カム・スミス
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