小林祐介(The Novembers)が2026年6月のワンマン・ライブで使用したアンプを本人が解説! 小林祐介(The Novembers)が2026年6月のワンマン・ライブで使用したアンプを本人が解説!

小林祐介(The Novembers)が2026年6月のワンマン・ライブで使用したアンプを本人が解説!

2026年5月にEP『合奏する、エンジン』をリリースしたThe Novembers。6月4日(木)Zepp DiverCityにて行なわれたワンマン・ライブにて、小林祐介(vo,g)とケンゴマツモト(g)の機材撮影を行なった。本記事では、小林祐介が当日使用したアンプを本人の解説とともにご紹介。

取材・文=森部真衣/三木深 機材撮影=星野俊

Kobayashi’s Amplifiers

Mesa/Boogie / Dual Rectifier(Head)
・One Control / BJF-S66(Head)
・Mesa/Boogie / Split Back 2×12(Cabinet)

2台のアンプ・ヘッドを活かすため
キャビネットを改造

小林は、Mesa/BoogieのDual RectifierとOne ControlのBJF-S66という2台のアンプ・ヘッドを1台のキャビネット(Mesa/Boogie Split Back 2×12)に接続して使用している。

キャビネットは2台のアンプ・ヘッドからの信号を別々に出力できように改造が施されており、Dual Rectifierの信号は下段のスピーカーから、BJF-S66の信号は上段のスピーカーから出力される。

2台のヘッドの使い分けについては、“Rectifierでメインの歪みサウンドを作っていて、それにアドオンする形でBJF-S66を使っています”とのこと。BJF-S66は、ギター・ソロやノイズ・ピットのような、ギターで面を作る時にロー・ミッドを押し出す役割や、クリーンを2台のアンプで鳴らして立体感のあるサウンドを出す役割を担っているという。

小林は、以前までフェンダー’65 Twin Reverbとエフェクターを軸に音作りをしていた。アンプを変えた理由については、“もっとエクストリームな表現がしたい”と思うようになり、現状の機材に限界を感じることがあったからだという。そんな中、envyなどとの対バンを経てRectifierの音色に惹かれていき、本機を入手したとのこと。

小林が使用するDual Rectifierは3ch仕様で、それぞれのセッティングは以下のとおり。

・Ch.1……MASTERが5GAINが6.5BASSが4MIDが4.5TREBLEが6.5PRESENCEは2.5ほど。モード・スイッチはCLEAN。
・Ch.2……MASTERが3GAINが6BASSが2.5MIDが5TREBLEが4.5PRESENCEは3.5ほど。モード・スイッチはRAW。
・Ch.3……MASTERが2.5GAINが7.5BASSが3.5MIDが4TREBLEが4PRESENCEが3.5ほど。モード・スイッチはMODERN。

Ch.1をクリーン、Ch.2をメインの歪み、Ch.3をMAXの歪みとして、それぞれをフレーズによって使い分けている。まずアンプ側で音色の“松竹梅”を作り、そこにエフェクターの個性を加えることで、音色の扱いやすさが格段に向上したとのこと。アンプの歪みを使用するようになったことで、小林は“同じ歪み感のままブーストしても、なめらかにつながるようになった”と語っていた。

音量は、クリーンのCh.1でかなり強く弾いた時と、歪みのCh.2で普通に弾いた時でイーブンになるように調整。そうしておくことで、歪みからクリーンに切り替えた時に物寂しく感じても、右手のタッチでなんとかできるのだとか。

Ch.3はニュー・メタルのような質感も出せるくらいのドライブ感に設定。レンジは下も上も広げて、派手な歪みを出せるようにしている。

今回の撮影の少し前にキャビネット下段のスピーカー(Celestion C90 “Black Shadow”)が故障してしまい、急遽、別のモデルに交換。もともと下段に取り付けられていたCelestion C90の特性について小林は、“ローがすごくブーミーで、過激な音作りをした時にも太さや音像の大きさみたいなものが担保されてるようなスピーカーだった”と語る。

Dual Rectifierの背面には放熱用のファンが設置されていた。

Dual Rectifierの上にBJF-S66がセットされていた。本機は66年製のアメリカン“Super”コンボ・アンプのサウンドを再現した、66W出力の小型の2chアンプ・ヘッド。

RHYTHM chを選択し、BRIGHTスイッチをオフ。各コントロールはMASTERが4.5GAINが7BASSが7MIDが7TREBLEが7.5にセッティングされていた。リバーブは未使用。

BJF-S66のサウンドを再生するキャビネット上段のスピーカーのモデル名は不明だが、小林は“Rectifier用のCelestion C90ほどじゃないけど、アンプの音が素直に出る、わりとバランスの良いスピーカー”とコメント。

Interview

意図がわかるような音作りを
意識しています。

Dual Rectifierのセッティングと音作りのポイントを教えてください。

基本的にはどのアンプでも、BASS、MID、TREBLEをすべて5の状態にして音作りを始めることが多いです。Dual Rectifierの各チャンネルは、クリーン(Ch.1)、普通の歪み(Ch.2)、MAXの歪み(Ch.3)という風に使い分けていますね。GAINは、どれだけサチュレートさせて音を面にするか、抜けさせるかを調整しつつ、チャンネルごとにキャラクターを付けるようなイメージでセッティングしています。

ボリュームに関しては、アグレッシブにブーストしたいのか、どうしたいのか、という意図がわかるような音作りを意識していますね。レコーディングでは1dB変わるだけでだいぶ印象が変わってきたりするんですけど、ライブではもっとハッキリと“こういう音楽だよ!”と言ってあげないと、効果があまりビビッドに出てこないんですよ。

なるほど。Dual Rectifierのチャンネルごとの音量はどのように設定していますか?

基本的な音量感は、歪み(Ch.2)で普通に弾いた時と、クリーン(Ch.1)でめちゃめちゃ強く弾いた時の音量が大体釣り合うように調整しています。そのくらいにしておくと、クリーンに戻った時に“あ、寂しいな”となった場合でも、右手のタッチでなんとかできることがあったりするので。

Rectifierは歪みの種類もRAW、VINTAGE、MODERNという3モードあるんですが、一番ブーストしてるCh.3はMODERNを選んでいます。ニュー・メタルっぽいような質感も出せるくらいの歪み感にして、レンジは下も上も広げて“ドーン!”と出すみたいな音作りをしてますね。

PRESENCEを抑えめにしているように思いますが、何か狙いが?

クリーンのCh.1ではちょっと上げることもあるんですけど、歪みのCh.2ではあまり上げないようにしています。やっぱりPRESENCEを出すと、ギタリスト的には嬉しいし、弾いていて気持ち良いですよね? でもバンドと混ざった時、“そこ、そんなにいらないな”っていうことがとても多くて。だからTREBLEでバランスが落ち着いたら、PRESENCEは基本触らない。ゼロの状態にしています。 

スピーカー2発のキャビネットを選んだ理由を教えてください。

昔はMesa/BoogieのRectifierとセットの4×12とかをレンタルして使っていたんですけど、今のThe Novembersにはあそこまでロー・エンドがしっかり伸びるサウンドはいらないと思ったんですよ。

今使っているSplit Backは、上下で違うスピーカーを取り付けています。マイキングをして、“どっちが好みかな?”と聴き分けた時に、どっちもけっこう良かったんですよ。なので、しばらく使い分けていますね。

2026年6月4日(木)Zepp DiverCity

【Setlist】
01. みんな急いでいる
02. November
03. 消失点
04. BOY
05. Ghost Rider
06. Xeno
07. HERO
08. The Singing Engines
09. 遥か彼方
10. 合奏 -Hold me Hold me Hold me-
11. Cashmere
12. Down to Heaven
13. Bad Dream
14. Hamletmachine
15. Morning Sun
16. Rainbow

-Encore-
17. 再生の朝

作品データ

合奏する、エンジン
The Novembers

MERZ
2026年5月20日リリース

―Track List―

01. HERO
02. The Singing Engines
03. 遥か彼方
04. 合奏 -Hold me Hold me Hold me-

―Guitarists―

小林祐介、ケンゴマツモト