2年ぶりの新作『Something Worth Waiting For』をリリースし、7月に開催された『FUJI ROCK FESTIVAL ’26』に出演したフリコ。これまでサポートを務めていたコーガン・ロブ(g)とデヴィッド・フラー(b)を正式メンバーに迎え、新たに4人体制となったフリコのステージは多くの観客の心をつかんだ。本記事では、『FUJI ROCK FESTIVAL ’26』でコーガン・ロブ(g)が使用したペダルボードをご紹介。
取材・文=小林弘昂 通訳・翻訳=川原真理子 機材撮影=小原啓樹
Korgan Robb’s Pedalboard

様々なテクスチャーを生み出す
遊び心に溢れたボード
【Pedal List】
①TC Electronic / Polytune(チューナー)
②JHS Pedals / Colour Box V2(プリアンプ)
③Fairfield Circuitry / The Accountant(コンプレッサー)
④Death By Audio / FUZZ WAR(ファズ)
⑤EarthQuaker Devices / Plumes(オーバードライブ)
⑥Operation Audio / Tascfamp(ディストーション)
⑦EarthQuaker Devices / Avalanche Run(ディレイ/リバーブ)
⑧BOSS / DD-7(ディレイ)
⑨J. Rockett Audio Designs / Boing Spring Reverb(リバーブ)
⑩Red Panda / Tensor(グラニュラー)
⑪Walrus Audio / Slö Multi Texture Reverb(リバーブ)
⑫Walrus Audio / Monument Harmonic Tap Tremolo V2(リバーブ)
⑬BOSS / RC-30(ルーパー)
⑭Fender / Engine Room LVL12 Power Supply(パワー・サプライ)
②Colour Box V2は歪みとして使用しておらず、ギターを持ち替えた際の音色や音量を調整するためのもの。そのため、使用ギターや楽曲によっては本機を常時オンにしているとのこと。
③The Accountantは一時期ボードからはずされていたが、最近また戻された1台。

④FUZZ WARは、FUZZノブをゼロ位置にしたサウンドが気に入っているそう。「Choo Choo」のガツンと弾くフレーズや「Get Numb To It!」のサビ、ほかにはハウリングが欲しい際にオンにしていたのが確認できた。
⑤PlumesはGainノブを下げ、音にハリを出すクリーン・ブースター的に要所要所で使用している。
メインの歪みは⑤Tascfamp。ニコ・カペタン(vo,g)も愛用しているハンドメイドのディストーションで、歪んだサウンドはおもに本機によるものだ。「Choo Choo」の激しいパートでは本機と④FUZZ WARの2台を、「Get Numb To It!」のラストでは本機と④FUZZ WARと⑤Plumesの3台を同時に踏んでいた。

⑧DD-7がメインのディレイ。MODULATEモードにセッティングし、E.LEVELとF.BACKを上げ目にしてディレイ音がハッキリと聴こえるようになっている。「Seven Degrees」の浮遊感のあるアルペジオでは⑦Avalanche Runと⑧DD-7を同時に使用していた。

コーガンはシーケンス的にランダムなサウンドを流すのが好きだそうで、ライブ中⑩Tensorは気分で使用することもしばしば。「Dear Bicycle」ではほとんどでオンにしているとのこと。

⑪Slö Multi Texture Reverbは深いリバーブとして使用。「Certainty」では本機に加え、④FUZZ WARと⑦Avalanche Runも同時にオンにして激しいフレーズを弾く場面もあった。
⑫Monument Harmonic Tap Tremoloは『Something Worth Waiting For』のレコーディングでも活躍したという1台。ライブでは「Still Around」や「Alice」などでオンにしていたのが確認できた。

⑬RC-30には事前に7つのサウンド・ループを取り込んでおり、楽曲によってパッドなどの特殊なサウンド・エフェクトを再生している。また、本機にはピック・ケースが付けられていた。

ボードの裏に⑭Engine Room LVL12を設置している。
Interview
僕たちが聴いて育ったインディー・ミュージックには
馴染みのあるサウンドなんだ。
──コーガン・ロブ
メインの歪みペダルを教えてください。
コーガン 僕はFUZZ WAR(④)を使っている。FUZZノブは常にゼロにしていて、そうやって使うのをとても気に入っているよ。Plumes(⑤)はクリーン・ブースト用で、あとはTASCAMのサウンドを再現したペダルも使っている。
ニコ Tascfamp(⑥)っていうもので、白いペダルがそれだね。これを持っているのは僕たちだけじゃないかな?
コーガン アルバムではWarlus AudioのMonument(⑫)っていうトレモロを使った。すごく気に入っているよ。Tensor(⑩)も僕のお気に入りだ。RC-30(⑬)では、パッドやいろんなサウンド・エフェクトをよく鳴らしているね。
Mk.geeによってTASCAMのカセット・テープ・レコーダー系の歪みが流行りましたよね。ニコはそれ以前からTascfampを使用していた印象です。
コーガン Mk.geeのために流行ったよね(笑)!
ニコ Mk.geeは独自の使い方をしているよね。僕がこのペダルを使い出したのは2018年のことで、ベイリー(ミンゼンバーガー/d)が僕の誕生日プレゼントで贈ってくれたんだ。TASCAMの4トラック・レコーダーで初期の曲をいくつかレコーディングしたことがあったから、買ってくれたんだよ。それ以来ずっと使っている。
去年、JHS PedalsからTASCAM系のペダル(424 Gain Stage)がリリースされることを知ったんだけど、ジョン・メイヤーがデモンストレーションをしている動画を観て、“クソッ!”って思ったね(笑)。僕たちはTascfampが大好きなんだ。
コーガン TASCAMのサウンドは90年代からインディー・ロックで使われていたよね。僕たちのお気に入りのミュージシャンが、特に初期のホーム・デモで使っていたんだ。
ニコ まさにニュートラル・ミルク・ホテルはMTRを過大入力させて音を割っていたよね。
コーガン そう。マイクを通してね。つまり、僕たちが聴いて育ったインディー・ミュージックには馴染みのあるサウンドなんだ。中音域にディストーションが効いているのが特徴なんだけど、きちんとプロデュースされた音楽にはそれがない。そこをすべて取り除いてしまうんだ。でも、僕たちにとってはとても馴染みあるサウンドだから、とても楽しめるんだよ。そこに共感している人が多いんじゃないかな。
作品データ

『Something Worth Waiting For』
フリコ
ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ
ATO0709CDJ
2026年4月24日リリース
―Track List―
01. Guess
02. Still Around
03. Choo Choo
04. Alice
05. Certainty
06. Hot Air Balloon
07. Seven Degrees
08. Something Worth Waiting For
09. Dear Bicycle
10. Necessary(Bonus Track)
11. Dirty Diamond(Bonus Track)
―Guitarists―
ニコ・カペタン、コーガン・ロブ
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