Live Report|THE PRIMALS2021年5月16日 FINAL FANTASY XIV DIGITAL FAN FESTIVAL 2021 Live Report|THE PRIMALS2021年5月16日 FINAL FANTASY XIV DIGITAL FAN FESTIVAL 2021

Live Report|THE PRIMALS
2021年5月16日 FINAL FANTASY XIV DIGITAL FAN FESTIVAL 2021

オンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV』のファン・イベント=“FINAL FANTASY XIV DIGITAL FAN FESTIVAL 2021”が、5月15日〜16日の2日間にわたって生配信された。今回は、フェス内で行なわれた、ゲームの公式バンドであるTHE PRIMALSによるステージの模様をレポートする。

文=福崎敬太 写真=築地 孝典、大谷ZUN純一朗、アンザイミキ、千葉 美珠々

曇天の有明、東京ガーデンシアターに足を運ぶ。本来ならば有観客で、ソーシャル・ディスタンスを保ちながらでも、人の活気があったであろう会場周辺は、緊急事態宣言の最中、人もまばらでお店もほとんど営業していなかった。

2021年5月16日、“FINAL FANTASY XIV DIGITAL FAN FESTIVAL 2021”。無観客での配信を決めたこのイベントに、オンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV(以下:FFXIV)』のサウンド・ディレクターである祖堅正慶が率いるTHE PRIMALSのライブ・レポートのため、特別に会場へと入れてもらった。

FFXIVで流れる音楽をバンド・アレンジして演奏する、ゲームのオフィシャル・バンドであるTHE PRIMALS。インスト主体であるがゆえ、海外からの支持も多い彼ら。声援の変わりとなるチャット画面が時おりスクリーンに映し出されるが、次々と流れる圧倒的な量のコメントの中には、さまざまな言語が並んでいた。

さて、前置きはほどほどにして、この日のステージの模様をさっそくレポートしていこう。

ついにベールを脱いだフェンダーとのスペシャル・コラボ・ギター

イベントの締めくくりであるTHE PRIMALSのライブは、彼らのファンであればおなじみの、コンテンツ・ファインダーのロード画面からスタート。祖堅によるオクターブ・フレーズとGUNNのエッジィなリフとともに「貪欲」の演奏が始まった。

ボーカル・パートが終わったのち、倍音豊かにテーマ・メロを弾くGUNN。トレードマークであるスクワイアのJ Mascis Jazzmasterを抱えている。一方のギター・ボーカルの祖堅が手にしているギターは、見慣れないルックスのストラトキャスター。そう、この日発表されたばかりの、フェンダーとFFXIVとのスペシャル・コラボ・ギターである“FINAL FANTASY XIV Stratocaster”だ。

ストレートなヘヴィ・サウンドのアンサンブルで一気に畳みかけ、そのまま「To the Edge」へ。

続く「輝ける蒼 ~希望の園エデン:覚醒編~」では、GUNNがテレキャスターに持ち替え、リア・ピックアップのジャキッとした単音カッティングを聴かせる。祖堅も相棒であるフェンダーのスターキャスターにチェンジし、ダウン・ピッキングでヘヴィに刻む。そしてMCをはさんだのち、「女神 ~女神ソフィア討滅戦~」でGUNNが件のストラトキャスターを手にしたかと思うと、次の「目覚めの御使い ~ティターニア討滅戦~」ではふたりそろってFFXIV Stratocasterに。GUNNによる歯切れの良いコード・バッキングに対して、祖堅は同じモデルでもまったくベクトルの違うウォームな歪みサウンドを生み出していた。この秘密については、「過重圧殺! ~蛮神タイタン討滅戦~」が終わったところで種明かしが。

MCで祖堅はこのFFXIV Stratocasterについて説明を始めた。ホーン部分の特殊な仕様によって、テーマである“光”と“闇”を表わしていること、ゲーム内でも同様のギターが弾けるアップデートが施されたこと、そして“リミットブレイク・スイッチ”について。

FINAL FANTASY XIV Stratocasterの機能について紹介する祖堅。
GUNNもFINAL FANTASY XIV Stratocasterを使用。両者ともにシリアルナンバー=000のプロトタイプだ。

“リミットブレイク・スイッチ”とはトーン・ノブのプッシュ/プッシュ式スイッチのことで、リア&センター・ピックアップをシリーズ接続としてハムバッカー・サウンドが得られるというもの。祖堅はそれまでの演奏はすべて本スイッチを入れていたため、GUNNとのサウンドにあれだけ大きな違いがあった。ステージ上ではサウンドの違いを弾き比べながら丁寧に説明していたが、配信ということもあり“違いがわかる?”と心配していたものの、チャット上の“ちゃんと伝わった!”というコメントにひと安心。会場で聴いていた筆者としては、明らかに中音域が持ち上がったファットなサウンドへの変化が感じられたので、ぜひ近いうちにライブ会場で体感できることを期待していてほしい。

そのまま「メタル:ブルートジャスティスモード ~機工城アレキサンダー:律動編~」、「ライズ ~機工城アレキサンダー:天動編~」、「ローカス ~機工城アレキサンダー:起動編~」と、スターキャスター&ジャズマスターの黄金ツイン・ギターで盛り上げていく。

そしてゲーム画面に切り替わり、ゲーム・キャラのアルバートが登場する。“さすがに疲れてきてるな。だが、あと一歩進む力があったら、このライブを、THE PRIMALSをぶちのめせるか?”というセリフのあと、“もちろんだッ!”の選択肢を選ぶと“なら、魂ごと持っていけ!”という名ゼリフが。そして、祖堅のストラトキャスターとGUNNの1968年製レス・ポール・カスタムが織りなす幽玄なリフが始まり、「Shadowbringers」でラストを迎えた。

ライブ後、本フェスの締めとして、FFXIVの開発/運営チームが登壇。そこで祖堅は、自身がガンを患っていたことを公表し、闘病生活についても明かした。病は寛解し、予後も良好で、無事このライブを迎えることができたのは、プレイヤーたちからの“楽しかった”、“感動した”という声がガンを克服する一番の励みになったと、感謝を述べた。彼の健康と、日本が誇るトップ・クリエイターとしてのさらなる活躍をお祈りする。

INFORMATION

THE PRIMALSは、ARCHITECTSで活躍中のサム・カーターをメインボーカルに迎え、2021年11月23日(火)発売予定の拡張パッケージ『ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ』のメインテーマを担当することも決定している。