ウェイン・ベネットを起用したジェイムズ・コットンVer. ウェイン・ベネットを起用したジェイムズ・コットンVer.

ウェイン・ベネットを起用した
ジェイムズ・コットンVer.

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えたーー“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。今週はファンク・ブルースの大御所ハーピスト、ジェイムズ・コットンの登場! ボビー・ブランド流のストマン進行でしっとりと歌い上げるコットンと、本家より粘りあるギターでそれを彩るウェイン・ベネットの絡みに引き込まれるはずっ!!

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈


ウェイン・ベネットを起用して
ボビー・ブランド気分!

サニー・ボーイ・ウィリアムスンの弟子としてメンフィスで活動したジェイムズ・コットン。その後シカゴへわたり、50年代半ばから10年ほど、マディ・ウォーターズのレギュラー・ハーピストを勤め上げ、66年以降はソロとして活躍した。

根は超ダウンホーム。しかし、70年代にはジェイムズ・コットン・バンドでファンク・ブルースの道を切り開いたように、本人は意外と柔軟性があり、モダン志向。自身のバンドを組んで67年に発表した初ソロ作(『Cut You Loose!』)では、ほとんどハーモニカは吹かず、B.B.キングやボビー・ブランドの曲のみならず、ソウル系の曲も吹き込んでいた。

85年にテキサスのアントンズから発表した『Mighty Long Time』は、南部時代のダウンホーム・スタイルからファンク・ブルースに至るまでの、コットンのキャリアを総括し、曲のタイプごとに異なるミュージシャンを配した、適材適所の好プロデュース作だ。

「ストーミー・マンデイ」が、モダン系の1曲として選ばれているが、当然ブランドの世界狙いで、何とウェイン・ベネットを起用。これはコットンも堪らなかったろう。ブランドになりきって気持ち良さげに歌いきり、ベネットが終始ギターでリードする。極上の仕上がりだ。

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