四和音とは? 初心者集まれ! 指板図くんのギター・コード講座 第8回 四和音とは? 初心者集まれ! 指板図くんのギター・コード講座 第8回

四和音とは? 
初心者集まれ! 指板図くんのギター・コード講座 第8回

今回はC6、C7、C△7、Cm6、Cm7、Cm△7、Caug7、Cdim7などの四和音を紹介します。四和音のことを“三和音にもう1つ音を重ねたもの”と理解すれば簡単に覚えられるようになります。

文・図版作成=ギター・マガジン編集部

四和音とは?

四和音は4つの構成音で出来たコードです。基本的にその構成音は、三和音(トライアド)に6(長6度)、♭7(短7度)、7(長7度)のいずれかを足したものとなります。

前々回に示した「コードの構成音一覧」から、四和音の部分を再掲載しましょう。

▼四和音

コード名構成音読み方
ルート3度
4度
5度7度
6度
テンション
□61356シックス
□7135♭7セブンス
□△71357メジャー・セブンス
□m61♭356マイナー・シックス
□m71♭35♭7マイナー・セブンス
□m△71♭357マイナー・メジャー・セブンス
□aug713♯5♭7オーギュメント・セブンス
□dim71♭3♭5♭♭7ディミニッシュ・セブンス
□7(♭5)13♭5♭7セブンス(フラッテッド・フィフス)
□7(♯5)13♯5♭7セブンス(シャープド・フィフス)
□m7(♭5)1♭3♭5♭7マイナー・セブンス(フラッテッド・フィフス)
□m7(♯5)1♭3♯5♭7マイナー・セブンス(シャープド・フィフス)

これらが四和音のすべてというわけではありませんが、それでもけっこうたくさんありますね。これらは以下の5つに分類すると、覚えやすいと思います。

  1. メジャー・トライアドを土台とした四和音
  2. マイナー・トライアドを土台とした四和音
  3. オーギュメント・トライアドを土台とした四和音
  4. ディミニッシュ・トライアドを土台とした四和音
  5. (♭5)か(♯5)が付いた四和音

1つずつ見ていきましょう。

メジャー・トライアドを土台とした四和音

先に示した表にあるコードのうち、メジャー・トライアドを土台とした四和音は、□6、□7、□△7の3つです。これらの構成音はメジャー・トライアドの構成音である1・3・5に、6か♭7か7のいずれか1つを加えたものになっています。

コード名構成音読み方
ルート3度
4度
5度7度
6度
テンション
□61356シックス
□7135♭7セブンス
□△71357メジャー・セブンス

ルートがC(ド)の場合の構成音を、音符で見てみましょう。比較のためCメジャー・トライアドの構成音も左に書きました。

この譜面では、音符の右に「度」を示す数字も入れています。またCメジャー・トライアドに追加された音をピンク色にし、コード名でその音に対応する部分もピンク色の字にしました。ポイントは、コード名の“6”は長6度(6)、“7”は短7度(♭7)、“△7”は長7度(7)を表わしていることです。

次にこれらのコードのフォームを見てみましょう。追加された音はピンク色の円で示しています。

これらのコードのフォームを覚えるには、土台となっているCメジャー・トライアドのフォームと比較してみるのが良いのですが、それに関してはすでに、第3回「C6、C7、C△7の構成音と、色々な押さえ方」で説明しているので、そちらをお読み下さい。

マイナー・トライアドを土台とした四和音

先に示した表にあるコードのうち、マイナー・トライアドを土台とした四和音は、□m6、□m7、□m△7の3つです。これらの構成音はマイナー・トライアドの構成音である1・♭3・5に、6か♭7か7のいずれか1つを加えたものになっています。

コード名構成音読み方
ルート3度
4度
5度7度
6度
テンション
□m61♭356マイナー・シックス
□m71♭35♭7マイナー・セブンス
□m△71♭357マイナー・メジャー・セブンス

ルートがC(ド)の場合の構成音を、音符で見てみましょう。

主なフォームは次のとおりです。

オーギュメント・トライアドを土台とした四和音

先に示した表にあるコードのうち、オーギュメント・トライアドを土台とした四和音は□aug7だけです。これはオーギュメント・トライアドの構成音である1・3・♯5に、♭7が加わったものです。

コード名構成音読み方
ルート3度
4度
5度7度
6度
テンション
□aug713♯5♭7オーギュメント・セブンス

音符にするとこうなります。

この譜面の「Caug」の下に書かれた「C(♯5)」はコード名の別表記です。CaugはCの構成音の中の5を♯5に変えたものなので、こういう書き方でもよいわけです。またこの表記を使う人は、「Caug7」も「C7(♯5)」と書くことが多いようです。

主なフォームは次のとおりです。

ディミニッシュ・トライアドを土台とした四和音

先に示した表にあるコードのうち、ディミニッシュ・トライアドを土台とした四和音は□dim7だけです。これはディミニッシュ・トライアドの構成音である1・3・♭5に、♭♭7が加わったものです。

コード名構成音読み方
ルート3度
4度
5度7度
6度
テンション
□dim71♭3♭5♭♭7ディミニッシュ・セブンス

注意したいのは、コード名の“7”が、短7度(♭7)ではなく、それよりも半音低い減7度(♭♭7)を表わしていることです。減7度は長6度と同じ音ですので、コード名は「□dim6」でも良さそうなものですが、そう書くことはありません。

音符だと次のようになります。

ここでは「Cdim」の下に「Cm(♭5)」という別表記を書きました。Cdimは、Cmの構成音の5を半音下げて♭5にしたもの、と見ることもできるので、こういう表記の仕方でもよいわけです。

また「Cdim7」の下には「Cdim」と書き添えました。これは前回も説明しましたが、四和音の「□dim7」を、コード名では単に「□dim」と表記することも多いからです。

なお、「dim」と書くと、それが三和音なのか四和音なのかがはっきりしない局面もあるため、音楽理論書にはディミニッシュ・トライアドを「□dim」ではなく「□m(♭5)」と書いているものも多いです。

……ちょっとややこしい話になりましたが、とりあえずCdim7のフォームを紹介します。

(♭5)か(♯5)が付いた四和音

「(♭5)か(♯5)が付いた四和音」は次の4つです。 これらは、□7と□m7の構成音のうち、5を、♭5もしくは♯5に変えたものです。

コード名構成音読み方
ルート3度
4度
5度7度
6度
テンション
□7(♭5)13♭5♭7セブンス(フラッテッド・フィフス)
□7(♯5)13♯5♭7セブンス(シャープド・フィフス)
□m7(♭5)1♭3♭5♭7マイナー・セブンス(フラッテッド・フィフス)
□m7(♯5)1♭3♯5♭7マイナー・セブンス(シャープド・フィフス)

「□7(♯5)」の構成音は、「□aug7」とまったく同じです。

「□m7(♭5)」は、1・♭3・♭5を含むため、「ディミニッシュ・トライアドを土台とした四和音」にも分類できます。また、このコードを「ハーフ・ディミニッシュ」と呼ぶこともあります。

音符にすると次のようになります。

主なフォームは次のとおりです。


では今日の内容を補足する事項を2点書きましょう。

補足1:完全5度は省略されることが多い

さて、今回出てきた指板図の中に、完全5度(5)がないフォームがあることに気づいた人もいると思います。たとえばロー・コードのC6やC7のフォームには、どの弦にも“5”がありません。

じつは完全5度というのは、鳴らさなくてもコード全体の響きにはあまり大きく影響しないので、省略されることが多いのです。

※本講座の第3回「C6、C7、C△7の構成音と、色々な押さえ方」のC6の構成音とフォームのところで、「ソは省略化」と書きました。これは「完全5度は省略可」という意味だったのでした。コードの構成音のうちどの音を省略できるかはケースバイケースなので、いずれまとめてお話ししたいと思います。

補足2:四和音のフォームをもっと知りたい方は・・・

四和音のフォームをもっと知りたい方や、その響きを確認したい方は、パソコンでギター・コードの学習用アプリ「ギターコード指板図くん – かんたんコードブック」にアクセスして下さい。そして次の図に書かれた①〜④の手順で、見たい四和音のフォームを表示させ、音符ボタンをクリックしてみて下さい。

今日はここまで。次回はテンション・コードがテーマです。

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【CONTENTS】
◎コードとは?コード進行とは? 
◎Cの構成音と、いろいろな押さえ方 
◎C6、C7、C△7の構成音と、いろいろな押さえ方 
◎Cメジャー・スケールを覚えよう 
◎ルートとは?度とは? 
◎コードの構成音一覧 
◎三和音とは? 
◎四和音とは? 
◎テンション・コードとは? 
◎omit3とは?add9とは?sus4とは? 
◎分数コードとは? 
◎続・分数コードとは? 
◎コードは平行移動で覚えよう 
◎続・コードは平行移動で覚えよう 
◎フレット数の書かれていないコード・ブック 
◎続・フレット数の書かれていないコード・ブック 
◎コード・フォームを自分で作る 
◎続・コード・フォームを自分で作る 
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◇巻末スペシャル:Fコードの押さえ方と攻略法
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