Interview|ナイア・イズミ『A Residency in The Los Angeles Area』での独創的アレンジ Interview|ナイア・イズミ『A Residency in The Los Angeles Area』での独創的アレンジ

Interview|ナイア・イズミ
『A Residency in The Los Angeles Area』での独創的アレンジ

路上では古いBOSSのDr-3みたいなドラムマシンを使っていたよ。

レコーディングで使った機材についても教えて下さい。まず、ギターは?

 基本的にジャズマスターの65年リイシュー・モデルでプレイしていて、ところどころでストラトキャスターも使ったね。あと、5~6年前に韓国のムーロンというメーカーに作ってもらったTLタイプも時おり弾いている。ギブソンのP90が載ったギターも、いわゆる一般的なソロっぽいフレーズで使ったかな。

アンプやペダルなどの機材は何を使いましたか? 

 アンプはデラックス・リバーブがメインで、カラマズーの小さなアンプと、くたびれているけど素晴らしいサウンドの古いAC15も使ったね。ペダルで使ったのは、ビートロニクスのOverhive(オーバードライブ)。これは何とも表現しがたいけクールなサウンドで、ソロで所々に薄っすらと混ぜる形で若干のトゲトゲしさを作ってくれている。あと、オクターブ・ファズのOctahiveも使った。MXRのM300はクレイジーなリバーブでけっこう活躍したね。

 フィルター系だと「Good At Being Lonely」では、プラグインのエンベロープ・フィルター、POGやキーリーのワウも使った。あと、トニーはかなりの機材マニアで、彼が持っていたFOXXのファズなどのクールなペダルもたくさん使ったよ。BOSSのDC-2(ディメンション)、中国製の安いマルチに入っていたビブラートも使ったし、「Six Inch Stilettos」ではKORGのMIKU STOMPが活躍したね。

路上演奏の頃はトラックを流しながらギターを弾いて歌っています。トラック・メイキングはどういった機材やソフトを使って作っていますか?

 路上では古いBOSSのDr-3みたいなドラムマシンを使っていたよ。外だから高価な機材を使いたくなくて、ローランドのCube Streetにつないでプレイしていたけど、ドラムマシンとの組み合わせはバッチリだったね。路上で使う機材となるとどうしてもチープになりがちだけど、Cube Streetは十分なレベルのサウンドだったんだ。ただ、変拍子をプレイする時は数学の問題を解いているみたいで、例えば「Voodoo」は9/8拍子だから、4/4拍子でしかプレイできないドラムマシンでプレイするためにはサブディビジョンをしっかりと考えなくちゃいけなくて大変だったよ(笑)。

それでは最後に、ギタリストとしての今後の目標を聞かせて下さい。

 シンガーやほかのアーティストたちとコラボレーションをしていきたいと思っている。自分のことだけやり続けてくると飽きることもあって、今回のアルバムを作ったことで、もっと頻繁に色んな人とコラボレーションしたいと強く感じたよ。僕の典型的なギター・スタイルから一歩踏み出し、いつもとは違うタイプのプロジェクトに参加するのが今の夢だね。

作品データ

『A Residency in the Los Angeles Area』
Naia Izumi

輸入盤/2021年7月30日リリース

―Track List―

01. Honesty
02. Natural Disaster
03. Six Inch Stilettos
04. Voodoo
05. Water
06. What Happened To Love?
07. Good At Being Lonely
08. Sad Song
09. As It Comes
10. Be Still
11. Personal Heaven
12. Hand In Hand
13. Soft Spoken (Sound City Version)

―Guitarist―

ナイア・イズミ