ジョシュア・モバラキ(ウェット・レッグ)が2026年2月の来日公演で使用したシンセサイザーとサンプラーを本人が解説! ジョシュア・モバラキ(ウェット・レッグ)が2026年2月の来日公演で使用したシンセサイザーとサンプラーを本人が解説!

ジョシュア・モバラキ(ウェット・レッグ)が2026年2月の来日公演で使用したシンセサイザーとサンプラーを本人が解説!

2025年7月に2ndアルバム『moisturizer』をリリースしたウェット・レッグ。『moisturizer』ではサウンドもビジュアルも一新し、新たな世界観で多くのファンを獲得。そして2026年2月に3年ぶりとなるジャパン・ツアーを開催した。本記事では、来日公演でジョシュア・モバラキ(g,syn)が使用したシンセサイザーとサンプラーを本人の解説とともにご紹介。

取材・文=小林弘昂 通訳=トミー・モリー 機材撮影=小原啓樹

Joshua Mobaraki’s Synthesizer & Sampler

Synthesizer

KORG / minilogue

シンセサイザーはKORGのminilogueをチョイス。ジョシュアは“4声までしか同時に出せないけど、それで十分だし、視覚的にも十分クールだよ。オシロスコープ機能も便利で、コスパが良いシンプルなキーボードだと思う”とコメント。

本機のアウトからは、Walrus Audio / Julianna(コーラス)とstrymon / El Capistan V1(ディレイ)を通ってDIに接続されている。

Juliannaは1曲のみコードを弾く際にオンにしているとのこと。El Capistanは“スウィープやライザー、セルフ・オシレーションのように使っている”そうで、「Wet Dream」、「Oh No」、「Too Late Now」、「Angelica」などでノブを操作していた。

使用楽曲(2026年2月18日@豊洲PIT)

  • 「Wet Dream」
  • 「Oh No」
  • 「Supermarket」
  • 「Being In Love」
  • 「pond song」
  • 「Ur Mum」
  • 「pokemon」
  • 「pillow talk」
  • 「Angelica」

Sampler

AKAI / MPC2000XL

サンプラーはAKAIのMPC2000XLで、本機はジョシュアがフロッピー・ディスクのスロットをCFカード・リーダーに改造。ハードディスクを大きくしたことで、やれることが増えたのだそうだ。

「pond song」ではカードにドラッグ&ドロップしたシンセの音源を鳴らしている。そうすることでハードなサウンドになるのだという。

SequentialのProphetで鳴らしたコードのサウンドをサンプリングし、「pokemon」ではそのまま再生しているとのこと。ほかにはUDO AudioのSuper 6、Teenage EngineeringのOP-1というシンセサイザーのサウンドをサンプリングしているほか、「CPR」ではサイレンの音も使用。

使用楽曲(2026年2月18日@豊洲PIT)

  • 「pond song」
  • 「pokemon」
  • 「CPR」

DI

minilogueとMPC2000XLの信号は、Radial J48(DI)を経由してPAに送られていた。

Interview

MPC2000XLは最高だと思う。
シンプルだから操作を覚えればかなり使いやすいよ。

MPC2000XLは、どの楽曲でどのように使っていますか?

サンプラーは単純な再生装置だから、いろんな音をサンプルとして取り込んでプレイしている。パーカッションやシンセのサウンドも鳴らせてかなりクールだよ。「pokemon」ではサンプリングしたProphetの音色を使っているんだ。どのモデルかは覚えてないけどね。レイヤーを重ねて使っていて、単純にコードをプレイするのではなく、コードをサンプリングしてそのまま再生できるようにしたんだ。それとUDO AudioのSuper 6っていう、イギリスのブリストルで作られたシンセのサンプリングも使っているよ。

「pokemon」をライブで演奏する時は、このサウンドを全部使っているんですか?

サビではKORG minilogueでサブ・ベースもプレイしているし、パッドの音も鳴らしている。ほかにMPC2000XLでは「CPR」のサイレンも鳴らすし、「pond song」でもシンセの音を使っているよ。あとはTeenage EngineeringのOP-1からいくつかサウンドをサンプリングしたんだけど、それはステージでOP-1を使いたくなかったからなんだ。小さくて扱いにくいから操作ミスを避けたくてね。

ウェット・レッグの音源をライブで再現するには欠かせない1台ですね。

MPC2000XLは最高だと思う。シンプルだから操作を覚えればかなり使いやすいよ。これは自分で改造していて、フロッピー・ディスクはもう使えず、スロットがCFカード・リーダーになっているんだ。ハードディスクを大きくしたから、やれることが増えているんだよね。「pond song」ではMPCのインプットにつないだ音源からサンプリングせず、カードにドラッグ&ドロップしたものを使っているんだ。こっちのほうがハードなサウンドになるのさ。もちろんMPCのサウンドを使いたくて、インプットからサンプリングしてレコーディングしたものもあるよ。

取り込み方で音が変わるのは面白いですね。

サンプリングするとサウンドが柔らかくなってハイエンドが少し削られて、ちょっと濁ったりザラついた感じになる。その音のハイを外音やモニター・エンジニアに持ち上げてもらうと、MPCによるザラつきやノイズが押し出されて、すごくクールに聴こえるんだ。オレはヒップホップが好きだから、こういうちょっとした要素を使えるのは楽しいんだよね。

KORG minilogueを導入した理由は?

特に派手な機材じゃないけど、ステージで補助的なパートをプレイするにはとても使いやすいんだ。4声までしか同時に出せないけど、それで十分だし、視覚的にも十分クールだよ。オシロスコープ機能も便利で、コスパが良いシンプルなキーボードだと思う。

minilogueにはエフェクターがつながれています。

El Capistanも大好きで何台も持っているけど、グレイトなサウンドのディレイだと思う。スウィープやライザー、セルフ・オシレーションみたいなことに使っていて、これはレコーディングではやってないんだけど、ライブでは楽しいからやっているんだ。

Juliannaのコーラスはコードに加えるとかなりグレイトで、とある1曲だけで使っている。ギター用のペダルとシンセの組み合わせはハイが自然と抑えられて良い感じになるんだよね。ギターは当然のようにノイズがあるからロー・パス・フィルターがかかっているけど、ギターそのものはハイ寄りだから、その効果は耳じゃわからない。でもキーボードやシンセだと、それがちょうどいい感じに柔らかいサウンドになって、少し丸くなるんだ。

2026年2月18日(水)豊洲PIT


【Setlist】
01. catch these fists
02. Wet Dream
03. Oh No
04. Supermarket
05. liquidize
06. jennifer’s body
07. Being In Love
08. pond song
09. Ur Mum
10. pokemon
11. davina mccall
12. 11:21
13. pillow talk
14. Too Late Now
15. Angelica
16. Chaise Longue
17. CPR
18. mangetout

作品データ

『moisturizer』
ウェット・レッグ

BEATINK
BRC790
2025年7月11日リリース

―Track List―

01. CPR
02. liquidize
03. catch these fists
04. davina mccall
05. jennifer’s body
06. mangetout
07. pond song
08. pokemon
09. pillow talk
10. don’t speak
11. 11:21
12. u and me at home

―Guitarists―

リアン・ティーズデール、ヘスター・チャンバース、ジョシュア・モバラキ