2026年10月21日(水)、約1年ぶりとなる新作『DECADE EMO EP』をリリースしたストレイテナー。全4曲入りの本作は、ホリエアツシ(vo,g)が楽曲に余白を設け、その中でメンバーそれぞれの個性がぶつかり合った1枚。今回はホリエアツシと大山純(g)の2人にインタビューを行ない、EPの制作について詳しく話を聞いた。
取材・文=小林弘昂 人物撮影=ピー山

イントロでは潔く
Gしか弾いてないんですよ。
──大山純
今作『DECADE EMO EP』は1年ぶりとなる新作です。制作はいつから始まったんですか?
ホリエ いつだっただろう? ……今年の春くらいですかね。
その間もホリエさんは楽曲を作り続けていたんですか?
ホリエ そうですね。「SEVEN7EEN」だけ時間がかかっていたんですよ。実は5年くらい前からちょこちょこ作っていて、今回やっと全貌が見えてきてアレンジに取りかかりました。
そうだったんですか! なぜ5年もかかったのでしょう?
ホリエ もともとイントロからAメロまでがあったんですけど、その先の展開が全然思いつかなくて。ああでもない、こうでもないと思いながら5年くらいかかったという(笑)。
その時点でメンバーにデモを共有していたんですか?
ホリエ いや、してないですね。自分の曲のストックの中にずっとあって、たまに思い出しては作ろうとするけどできない、みたいなことがずっと続いていました。
大山 ちなみにレコーディングは4月末でしたね。
ホリエ 4月末か。この作品は2回に分けてレコーディングしています。2曲ずつだったかな?
「SEVEN7EEN」については、またのちほど聞かせてください。今回のEPは4曲すべてのカラーが違いましたが、どんなイメージで制作を始めたんですか?
ホリエ コンセプトはなしでした。前作(『Next Chapter EP』/2025年)もEPだったので、その延長というかね。ライブをやってく中で、“次はどんな曲を作ろうかな?”みたいな時に出てきた曲たちです。方向性もバラバラなので。
大山さんは、今作はどんなEPになったと思いますか?
大山 まあ、バラバラですよね(笑)。……そう言ってしまえば簡単ですが、それぞれが尖ったアプローチで、いろんな方面に特化したEPだと思います。
1曲目「SUPER HERO ALL STARS」は、図太いリズム隊の上で大山さんのモジュレーション・ギターが独特な雰囲気を演出しています。これは最初からあったイメージなんですか?
大山 いや、なかったです。曲は弾き語りに近い状態で上がってくるので、コード進行がすでにリフになっていたんですね。リフをユニゾンしても成立はするんですけれど、それだと2本のギターの意味があまりなく、なんとか面白い方向に持っていきたいなと。それで、まったく別のアプローチを考えた結果がこれです。
ホリエさんはデモの段階からリフっぽいコード進行で曲を作っていたんですか?
ホリエ パワー・コードのAメロがあって、ちょっとブルージィなメロディを乗せて、全体的な世界観はガレージ・ロックっぽいものにしようと思っていました。ギターとベースは……なんかやってくれるだろうと(笑)。
そこはもうお任せで(笑)。
ホリエ ベースはけっこう僕のコードをなぞりつつ、リズム感を足しているという。そういうアレンジになっていますよね。
ホリエさんのバッキング・ギターはストレートな歪みで、間(ま)を意識したリフだなと思ったんですけど、それはほかのメンバーのために余白を持たせる的な意味合いもあったんですか?
ホリエ そうですね。“余白で何かをしてくるのかな?”と。余白のまんまかもしれないし、どうなるのかなって。
大山さんはホリエさんのリフからフレーズを考えたとのことですが、コード進行を見て頭の中で組み立てていくこともあるんですか?
大山 この曲に関しては、そういう感じではなかったかな。ほかの曲ではやっていますけどね。この曲では勢いを殺さないで、イントロでは潔くGしか弾いてないんですよ。“それだけでもっていったら面白くなりそうかな?”って思ったのが、リフ作りの始まりですね。
そうなんですね。
大山 コード・トーン的なことを意識して、そこから発展させてくみたいな感じとは真逆のやり方でした。もうG、G、Gっていう感じ(笑)。Gのオクターブ移動とリズムで、ちょっとギミックめいたことができればいいなと思っていましたね。
モジュレーション・サウンドはコーラスで作ったんですか?
大山 コーラスですね。Small Clone。
Small Cloneといえば、大山さんがずっと使っているコーラスですよね。
大山 ずっとですね。あれがないとできないです。
ほかのコーラスでは出せない魅力があるんですか?
大山 世代ですかね。あの音が好きなんですよ。
1ノブのモデルですけど、どんなセッティングでした?
大山 最近はほぼゼロに近い状態で使っていますね。それくらいでも、けっこう揺れるという。
なるほど。後半の間奏ではフェイザーを混ぜてカオティックな感じになっていますけど、あれはどういったイメージだったのでしょう?
大山 あそこもGなんですよ(笑)。とにかくGを弾いていて、そのままストロークをちょっとずつ変えていって、それがリズムのアクセントになればいいなと思っていました。でも、それだけだと面白みに欠けて、もっとカオスを作りたいということでフェイザーを足してみたんですね。その結果、リズム隊の聴こえも良くなった気がして、面白いかなと。
フェイザーはSmall Stoneですか?
大山 そうです。
間奏のあとは、景色がガラッと変わるようにギターはクリアなコーラスになりますし、ボーカルのエフェクトもなくなってストレートになりますよね。
ホリエ あそこは違う曲がくっついたみたいなイメージだったので、全部の楽器のキャラクターを変えてみたんです。なので、たぶんベースも音が変わっていますし、ドラムの生音は変わらないですけど処理は変わっていると思います。
大山さんは、そこで何かアプローチを変えましたか?
大山 クリーンのアルペジオに近いところですよね。あれがコード・トーンとアルペジオで、ちょっとメロディっぽく聴こえるアプローチができたらなという感じでした。
この曲のレコーディングでは、どんなギターを使いましたか?
ホリエ 僕はテレキャスターですね。
デモの段階からテレキャスが合うと思っていたのでしょうか?
ホリエ そうですね。ゴリっとした歪みで、エッジが効いていたらいいなと思って。
大山 僕はいつどおりです。Freedom Custom Guitar Researchのカスタム・ギター。
アンプは何を?
ホリエ 僕はいつもの、マーシャルのAstoriaですね。
大山さんも、いつものフェンダーSuper-Sonicですか?
大山 いつもどおりです(笑)。

全部のギターを試して、
全部の弦が一番クリアに鳴っているのがストラトだった。
──ホリエアツシ
2曲目「異世界地図」は、ホリエさんのシンセと大山さんのギターによって、かなり浮遊感のあるダンス・ナンバーになっています。どのようなイメージで制作しましたか?
ホリエ リズムは4つ打ちでいこうと決めて、基本的には“その上でそれぞれがどんなプレイをしてくるのか?”と委ねていました。ジャミロクワイとかをソースにしながら、ストレイテナーの生っぽさみたいなところが出てきたらいいなと思っていましたね。
そういうリファレンスはメンバーに共有してからアレンジを進めるんですか?
ホリエ うん。していますね。特に“この辺のテンポ感でいけたらいいかな”みたいな感じで提示していたんですけど、結果的にはギターのリフに合わせてテンポを少し落としています。
大山さんはホリエさんのデモを聴いた時、どういう曲になりそうだなと思いました?
大山 “これが推し曲になるんだろうな”と思ったんですよ。すごく良い曲だなって。
ホリエ このデモって、オレの足踏みみたいなの入ってた?
大山 あ、入ってた! 4つ打ちの音が打ち込みじゃなく、自分の生の足踏みで(笑)。アナログが過ぎると思って、ちょっと引いた(笑)。
ホリエ あ、そう(笑)。
大山 メトロノームを使うわけでもなく。
ホリエ たしかに、メトロノーム使えばよかった(笑)。
以前の大山さんのインタビューで、シンセが入っている楽曲は全部の楽器のレコーディングが終わったあとにホリエさんが1人で録音すると話していましたけど、この楽曲もそうでしたか?
ホリエ そうでしたね。僕は最初にガイドみたいな感じでギターで白玉のコードを弾いたりしていて、それをあとからシンセに置き換えるみたいなやり方です。
この楽曲の前半、大山さんのギターはアルペジオに徹していますけど、間奏のカッティングや2番のサビ前で単音のミュート・フレーズを弾いてグルーヴを出しています。どんなイメージでフレーズを考えていきましたか?
大山 まずイントロがズラしなんですよ。“何拍目の裏からクッと入るか?”というのをいろいろ試して、一番インパクトがあったのがこの入り方だったんです。サビ前では拍の頭を意識したものになっていて、ギターではなくボーカルのメロディに集中してもらっていますね。で、サビでは3連を使っていて、全体的に流れみたいなものを意識しています。
リスナーに聴いてほしいポイントを、ギターのフレーズによってそっと教えているような感じですね。
大山 ガイド的にできたらいいなっていうのはありました。
このような大山さんのアプローチで、ホリエさんが助けられている部分はありますか?
ホリエ イントロがテーマになっているから、曲の乗っけからグッとキャラクターを打ち出せていて、ちょっと懐かしさみたいなものがあって良いなと思います。ディスコ感というか。
リファレンスどおりみたいな感じですかね?
ホリエ そうなんですけど、リファレンスのジャミロクワイは、懐かしさっていうよりはジャズっぽい感じじゃないですか? ジャズを当時のエレクトリック・サウンドでやったのがジャミロクワイだと思うんですけど、我々が作った音はそれよりも古い感じです(笑)。
先ほど大山さんが“イントロは拍の頭をズラした”と言っていましたが、以前の「COME and GO」(2024年)でもズラしのリフを弾いていますよね。拍をズラすことで、どのような印象を与えられると思いますか?
大山 インパクトですね。急にキャッチーになる。本当は“1、2、3、4、ドン!”で入った時にインパクトがあれば自然というか、聴きやすいというか、馴染むんでしょうけど、この曲はあえてズラしたほうが映えるかなと思いました。
それと間奏のカッティング前と楽曲のラストの2箇所で、ワウをかけてグリスみたいなことをやっていますよね。どのタイミングで思いついたんですか?
大山 あれは全員でアレンジしてる時に、“ここはつなぎでリフが欲しいよね”という話になって、ひなっち(日向秀和/b)が出してきたリフなんですよ。そこにユニゾンを乗せてもかっこ悪いなという感じだったので、ワウでリズムに乗っかっていくことにしました。
あのワウのパートがあることで、楽曲の一体感がすごく出ていると思いました。
ホリエ 最初にやった時は“唐突だな”と思ったけど、そうでもなかった(笑)。“そのままビートが変わらずにいってもつまんないかも”となって入れたんですよね。
シンセ・ソロのあとのアルペジオ・ソロがすごくキレイでした。どのように作りましたか?
大山 どう作ったかな(笑)? ……イントロが展開していくイメージですね。ギター・ソロで持っていく曲じゃないなと思ったので、イントロと同じ音色やリズムだけどフックになるものが作れたらいいなと。
シンセ・ソロからのアルペジオ・ソロという構成は、ホリエさんは最初からイメージしていたもの?
ホリエ いや、尺を伸ばしたかな? “もうちょっと尺があってもいいな”みたいな感じでシンセ・ソロとギター・ソロをつなぐようにしたのかも。“思い切って長くしちゃうおう!”みたいな。「Alternative Dancer」(2016年)っていう過去の曲でも同じようなことやっているんですよ。その曲は方向性的にも同じ位置づけだと思うので、この流れを定番にしようかなと(笑)。
大山さんがこの曲で使用したギターは?
大山 全曲一緒です(笑)。
そうなんですね(笑)。ちなみにホリエさんは、ほかの曲でどんなギターを使ったんですか?
ホリエ 「SEVEN7EEN」はストラトです。「シーグラス [DECADE EMO MIX]」もストラトか。
SGは登場していないんですね。
ホリエ 「SEVEN7EEN」のサビではストラトとSGで同じフレーズを弾いています。結果、ストラトのテイクを選んだんですけど、もしかしたらSGのテイクも足されているかもしれないですね。
今作はシングルコイルのサウンドのイメージがあったんですか?
ホリエ たまたまですね。でも「SEVEN7EEN」のコード・バッキングは全部のギターを試して、全部の弦が一番クリアに鳴っているのがストラトだったので、ストラトを選びました。

“コーラスがあると2本のギターの分離感が良くなるな”と
思っていたんです。
──大山純
先ほども少し話していただいた「SEVEN7EEN」は、ホリエさんの直線的なギター・ストロークと大山さんのフェイザー・カッティングという2本の絡みが印象的な楽曲です。
ホリエ これも僕がやっていることにみんなが乗っかってくる感じなんですけど、最初はもう丸投げで、“どう出てくるかな?”と。リズム感とかノリとかは“こんな感じで”ということをあらかじめ伝えていて、それからセッションしていくみたいな作り方だったと思います。
大山 最初のセッションの時に、“久々にアバンギャルドなアレンジでもいいかなと思ってる”と言われたんですよ。素直にやったら“ドンドン、ドンドン”っていうところにリズムを乗せていくべきなのかもしれないけど、そう言われた瞬間からオレはその考えがなくなってしまって。“何か面白いことできないかな?”って、セッション中は自分の中で実験をくり返すみたいな感じでした。キーとかも考えないで、手を置いたとこから何かを弾き始めて、ずっと試行錯誤していましたね。1回じゃ固まりきらないので、持ち帰って家で延々とやっていました。
頭で考えてフレーズを出していく場合と、音源のループやセッションで弾きながらフレーズを見つけていく場合、どっちのほうが多いですか?
大山 最近はセッション中に出し切っちゃうことが多いんですけど、昔は全曲持ち帰っていましたね。
そうだったんですか!
大山 なんかノリで作れる感じじゃなかったんですよ(笑)。必死だった。
ホリエ 昔は僕が前もってデモを送ったりしてなかったことも大きいですね(笑)。
この楽曲でも大山さんのコーラスをかけたサウンドが印象的だったんですけど、コーラスなしも試しましたか?
大山 どうだったかな? でも、コーラスありきでアルペジオを作ったような気がしますね。この制作時期にSmall Cloneにハマってたんですよ。
このEPを象徴するサウンドですよね。
大山 ギターに関してはそうかもしれないですね。今年の頭くらいから、“コーラスがあると2本のギターの分離感が良くなるな”と思っていたんです。なので、今までライブで踏んでいなかったところでも試してみたりして、やっぱり良いなと。“とりあえず踏んどけ!”みたいになっていました(笑)。
今回のコーラス・サウンドによって、バンド・アンサンブルにおいて変化が生じた部分とかはありましたか?
ホリエ どうですかね? “OJらしいな”って、特に気にしてないかも(笑)。スタジオで音作りをしている時、僕はエンジニアの横に座っているので、アンサンブルの微調整をずっと聴いているのが好きなんですよ。OJとエンジニアのやり取りも阿吽の呼吸というか、エンジニアも“OJがこういう音を出したいんだろうな”というのを理解してくれていると思うので、良いバランスでできていて、信頼がありますね。
この曲にはギター・ソロがありますけど、どんなイメージでしたか?
大山 えーと、“ギター・ソロくれ”と言われました(笑)。ちょっとやってみてほしいんですけど、このコードの上でソロを弾くの、めっちゃムズいんですよ。
そうだと思います(笑)。
ホリエ ステイできないからね。
大山 “どうしたらいいんだ!”と。結果、頑張りましたね(笑)。あと、すごくリード然とした音にするのか、真逆の音にするのかを悩みました。“ギャーン!”っていう音でも面白いかもしれないと一瞬よぎったんですけど、そっちにいかずに、逆に少しこもった音色で弾いたほうが印象的かなと考えましたね。
最後に半音ずつ下がっていくフレーズもあったりして、かなり耳を引きつけられるソロでした。これは家に持ち帰って考えたんですか?
大山 これは考えました。“レコーディング当日に間に合えばなんとかなるでしょう”くらいで、最後に考えた感じですね(笑)。
ホリエ 弾きながら考えた? それとも頭の中で考えた?
大山 どっちもだね。弾きながら歌ったりして、歌ったのが弾けなかったりして(笑)。良いところを見つけていった。
ホリエさんは、この曲はソロが欲しいという前提で作ったんですね。
ホリエ とにかくコード進行をゴリ押しして、ずっとそこにハマってセッションしてるみたいな感じが欲しかったんです。そこにイカれた感じのギター・ソロが入っていたら面白いなと思って、“「オレがオレが!」みたいな感じで巻きで入ってほしい”とか言いました(笑)。
大変なオーダー(笑)。考え方としてはけっこうジャズ的ですよね。
ホリエ そういうイメージでしたね。
コード進行に合わせてソロを弾くのはすごく大変だと思うんですけど、大山さんなりのコツはありますか?
大山 ないです(笑)。できるまでやるしかないです(笑)。

あまり歪ませずにガシガシ弾いていて、
エモっぽさが強調されているかなと。
──ホリエアツシ
最後の楽曲「シーグラス [DECEDE EMO MIX]」は、「シーグラス」(2016年)のリリース10周年を記念してリアレンジされたテイクです。当時は“脱エモ”を意識して制作されたとのことですが、当時の制作について改めて教えていただけますか?
ホリエ エモをやり切っちゃったみたいなところがあって、歪んだギターと淡いコード感で壁を作っていくアレンジをちょっとお休みしようかなと思った時期だったんです。「シーグラス」はメロディも強いし、歌詞も誰もが聴いて目に浮かぶような心動かされるようなものが書けたので、もっとポピュラリティを意識してもいいのかなとオリジナルのアレンジを作っていきました。
そして今回はエモーショナル・バージョンでリアレンジしたということで、どのようにアレンジ作業を進めていったんですか?
ホリエ まずは、“エモっぽくしよう”ということだけを決めて、スタジオの中でしばらく黙って考え込みましたね(笑)。リズムはオリジナルの半分から始めて、イントロもつけて、イントロからコードが一緒に鳴っているっていうイメージができてからは、けっこう早かったかもしれないです。
エモーショナルにアレンジするとなった時、大山さんはどんな完成図が浮かびましたか?
大山 これこそ4カウントの“せーの”で入れる、真っ直ぐなアレンジですよね。もう10年間やっている曲なので、細かいフレーズは全部アドリブで作って、その場のノリで弾いて、“ストレートだし、もうこれでいいね”という感じで、自分の中で納得した形になりました。
ホリエさんから大山さんに、“ここはこうしてほしい”みたいなオーダーはあったんですか?
ホリエ “間奏のフレーズはもとのまま出してもいいかな”みたいなことは言いました。リズムと展開でだいぶ印象が変わったんですよ。最初からそれがイメージできていたわけじゃなくて、やりながら作っていったので、自分としても“なんかすごい!”と思って(笑)。
想像以上の結果になったと(笑)。
ホリエ やってみて、できないかもと思ったんですよね。“全然オリジナルのほうが良いじゃん”とか、“リアレンジした意味があんまりないね”みたいになるかもしれなかったけど、そうならなかったのがすごいなと。10年研ぎ澄ましてきたんだなと思いました(笑)。
この新アレンジについて、大山さんはいかがですか?
大山 新アレンジ、単純にやっていて楽しいですね。10年間やってきたものが急に変わったわけですから、自分の中でもすごく新鮮です。
ホリエ リハーサルのサウンド・チェックで、OJが必ず「シーグラス」の一番最後のアルペジオ・ソロみたいなやつを弾いてると思うんだけど、あそこって「シーグラス [DECEDE EMO MIX]」にもあるんだっけ?
大山 あるよ。
ホリエ あ、じゃあ変わらずだ。
大山 もともとアンプを2台鳴らしてたんだけど、このアレンジになってからは2台鳴らさなくなったけどね。
ホリエ へぇー。じゃあ今後それはなくなるってことか。
大山 あのチェックはなくなるね。
ホリエ そっか。あのチェックが始まったら、僕はステージに行こうと思っていたので(笑)。合図がなくなるんですね。
あの部分ではMooreのGE250(マルチ・エフェクター)のリバース・ディレイをアンプ2台で鳴らしていたんですよね。もうこのアレンジでは使わなくなると。
大山 歪みだけでいけちゃいますね。
ホリエさん的には、自身のギター・プレイやサウンドメイクで変化したところはありますか?
ホリエ オリジナルよりは歪んでますね。歪みを強くしているのと、あとは2番のAがコードも変わっているので、そこはすんごい控えめにクリーンにして、弾いてるか弾いてないかくらいの感じでやっています(笑)。隙間を作りたくて、埋め尽くさないほうがいいかなって。
コードを変えているんですか!
ホリエ 間奏とか、ちょっとずつコード進行をいじっていて。でも、たまにコード進行をいじったことを忘れて、もとのアレンジのまま弾いちゃうこともあります(笑)。あとはドラムがずっと4分のキックを踏んでたところをなくしていますね。最後のサビで僕のギターと歌だけになるところがあるんですけど、あそこはあまり歪ませずにガシガシ弾いていて、エモっぽさが強調されているかなと。
今っていろんなものが“エモ”と括られていますよね。「シーグラス [DECADE EMO MIX]」のエモは、今の若い人たちが想像するエモではない気がするんですけど、2人が影響を受けたエモってどの辺なんですか?
ホリエ 僕はデスキャブかな。とらえ方としてはコード感ですかね。エモっぽいコード感みたいなものがあると思っていて、「シーグラス [DECADE EMO MIX]」はド頭の2本のギターから、“エモがきた!”って感じ(笑)。
大山 オレ、エモはずっとサニー・デイ・リアル・エステイトなんです。言語化はちょっと難しいけど、“どうにもならずに泣く”みたいなものだと思ってる(笑)。
歪み量と歪みの成分は
変えてないんですよね。
──大山純
機材についてもう少し聞きたのですが、今回のEPで活躍した歪みペダルはありますか?
ホリエ 歪みはBlues Driverだけかな。
大山 変わってないですよ。2つ(Rock Stock Pedals / The Raven Overdrive V2、One Control / Persian Green Screamer)のうちのどっちかを踏んでいます(笑)。
今は手元で音を作るようになっちゃったんですよね。オレが使っているギターはハムバッカーとシングルコイルの切り替えと、その間みたいな音が出せるので、そのミックス具合とトーン・ノブ、ボリューム・ノブでオケに対して一番抜ける音を作るみたいな感じ。歪み量と歪みの成分は変えてないんですよね。
もう手元でコントロールしているんですね。
大山 今回はなかったけど、極端な音を出したい時は違いますね。でも、そういう時以外はエフェクターをいじらないです。たぶん自分でいじっちゃったほうが一番楽なんですよ。いちいち立ち上がらなくて済むし(笑)。
ホリエ 怖いよね。かがんだりしてギックリ腰になったら嫌だし(笑)。
「SEVEN7EEN」の少しこもったソロの音も手元で作ったんですか?
大山 手元でやっています。
では最後に、今回のEPで特に気に入っているところを教えてください。
ホリエ やっぱり「SEVEN7EEN」のギター・ソロじゃないですか(笑)?
大山 そこですか。ムズいんだよな(笑)。オレは「異世界地図」の雰囲気が好きです。
ホリエ あれもライブでムズそうだな(笑)。
これから始まるツアーに向けて、今回のEPの楽曲をライブでどう再現するかみたいなところを詰めていくんですか?
ホリエ そうですね。気づいたら年明けすぐなので。春にレコーディングしたので、1回忘れちゃってますから(笑)。
作品データ

『DECADE EMO EP』
ストレイテナー
ユニバーサル
TYCT-30172
2026年10月21日リリース
―Track List―
01. SUPER HERO ALL STARS
02. 異世界地図
03. SEVEN7EEN
04. シーグラス [DECADE EMO MIX]
―Guitarists―
ホリエアツシ、大山純
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