2026年10月12日(月)に新代田FEVERで開催されたART-SCHOOLのワンマン・ライブ『Dreams Never End AFTER PARTY』で用意されていた戸高賢史(g)のペダルボードを、本人による解説とともにご紹介!
取材・文=森部真衣 機材撮影=星野俊
Todaka’s Pedalboards

歪みを中心に構築された
2枚組ペダルボード
【Pedal List】
①Morley / Maverick(ワウ)
②Sonic Research / ST-200(チューナー)
③Kingsley / Minstrel V3(オーバードライブ)
④Z.Vex Effects / Box Of Rock Handpainted(オーバードライブ)
⑤Kingsley / Harlot V4(オーバードライブ)
⑥Phantom EVR / #3 ENO.(オーバードライブ)
⑦Phantom EVR / COVE Prototype(ファズ)
⑧Neunaber Audio Effects / Inspire Tri-Chorus Plus(コーラス)
⑨strymon / EC-1(ディレイ)
⑩strymon / BigSky(リバーブ)
⑪Phantom fx / HACK Prototype(ブースター)
⑫MASF Pedals / RAPTIO(グリッチ)
⑬strymon / cloudburst(リバーブ)
⑭BamBasic Effectribe / Custom Parallel Out(スプリッター)
⑮strymon / Mini Switch(フット・スイッチ)
⑯One Control / Distro MKⅡ Isolated(パワー・サプライ)
⑰K.E.S / KIP-V.A.C.9(パワー・サプライ)
⑱Ghost Fire / GP8-SV2(パワー・サプライ)
戸高がART-SCHOOLで使用するペダルボード。ギターからの接続順は①〜⑭を経由し、⑭Custom Parallel Outから2台のアンプへと分岐されている。
この日のライブでは持参し忘れてしまったそうだが、普段はボードの先頭にA3 StompboxのA3 VOLUME PEDALを配置し、そのアウトプットから①Maverickへ、チューナー・アウトから②ST-200へと接続しているそうだ。

①Maverickは戸高が長年愛用しているペダルの1つ。一般的なワウ・ペダルとしての役割だけでなく、途中まで踏み込んでフィルター的に活用したり、DJがフィルター・ノブを回しているかのような効果を狙う際にも使用。この日のライブでは「real Love/slow Dawn」のギター・ソロなどで使用していた。

歪みペダルは③〜⑦の計5台を揃えており、求める歪みのキャラクターに合わせて細かく踏み分けている。
③Minstrel V3は真空管を搭載したオーバードライブ。ペダル内部で9Vから240Vに昇圧しているため、本物の真空管アンプさながらのサウンドを得ることができる。戸高曰く“中音域にややフォーカスした特性”のため、Tube Screamerのようなイメージでほかの歪みペダルの前段に置き、ゲイン・ブースター的に使用。
④Box Of Rockは初期のハンド・ペイント・モデル。現行のBox Of Rockと抵抗やコンデンサの値が異なるため、現行のモデルよりもミドルが強く、レンジ感やコンプレッションの具合が絶妙なのだという。
最も使用頻度が高い⑤Harlot V4は、③Minstrel V3と同様に真空管が内蔵されたオーバードライブ・ペダル。真空管特有の柔らかなサウンドとバランスの良い音域を備え、戸高曰く“非常に扱いやすい、一番万能選手な歪み”だそうだ。2台のKingsleyのペダルは、創業者であるサイモン・ジャレットへ直接メールを送り、カナダから取り寄せたものだという。
⑥#3 ENO.は、戸高が主宰するPhantom fxと、Shun Nokinaが率いるLeqtique EVR、CULT、そしてKarDiaNとのコラボレーションによって誕生したペダル。ボードの中の歪みペダルの中で最も中音域の主張が強く、音抜けも抜群のため、ギター・ソロやリード・トーンを際立たせたい場面でオンに。
⑦COVEは、撮影日の直前にローンチされたファズのプロトタイプ。戸高はギター本体のボリュームを絞ることで歪み量を調節し、荒々しいオーバードライブ・サウンドとして活用している。「Bug」を始めとする多くのギター・ソロで踏んでいるとのこと。
⑧Inspire Tri-Chorus Plusは、ピッチが大きく揺れないためディメンション・コーラス的に使用。歪みペダルの後段に置いても音が濁りにくく、重宝しているのだそう。この日は「CRYSTAL」で④Box Of Rockと組み合わせて使用された。
撮影時のライブでは演奏されなかったが、「ニーナの為に」では⑨EC-1に接続した⑮Mini Switchでタップ・テンポ入力を行ない、ディレイ・タイムを調整している。
⑩BigSkyはMONOEYESなどのほかのバンドでも共通して使用しているお気に入りのペダルで、楽曲ごとにプリセットを作成。「SWAN SONG」のリフで聴ける独特のサウンドは、本機でピッキングのアタック感を消すリバーブを作っているとのこと。

⑫RAPTIOは長年愛用しているグリッチ・ペダルで、「real Love/slow Dawn」の間奏で聴ける持続音は本機によるもの。
⑬cloudburstは滅多に使用しないものの、シンフォニックなリバーブが得られるため、荘厳な世界観を演出したいシーンで気分に合わせて踏んでいるという。
⑭Custom Parallel Outは、BamBasic Effectribeに製作を依頼した特注のスプリッター。ここから2台のアンプに信号を分岐しており、筐体上部のスイッチでメイン・アンプ(Dr. Z SRZ-65)、下部のスイッチでサブ・アンプ(フェンダーHot Rod Deluxe)のオン/オフをコントロールしている。メイン・アンプからは常時音を鳴らしているため、誤操作によるミュートを防ぐ目的で、上部のスイッチは固定されていた。本機には2台のアンプ間の位相を整える機能も備えており、非常に重宝しているとのこと。
Interview
欲しい歪みに合わせて
フィーリングで細かく踏み分けています。
オーバードライブ・ペダルが4台(③〜⑥)ありますが、メインで使用する歪みはどれですか?
メインの歪みは決まってないんですけど、例えばHarlot(⑤)は真空管っぽい柔らかさがあって、音域もどこかが突出しているわけじゃないので非常に扱いやすいんですよ。万能選手な歪みなので、そういう意味では一番使うことが多いかもしれないですね。だけど、“この曲でこれを使います”みたいなものがあるわけではないので、欲しい歪みに合わせてフィーリングで細かく踏み分けています。
ほかの3台は、どんなサウンドが欲しい時に踏むのでしょうか?
Minstrel(③)は中音域にちょっと特徴があるので、ほかの歪みの前段でブーストしたい時に踏むって感じですね。Tube Screamerみたいな使い方で音を微調整しています。Box Of Rock(④)は昔のモデルなので、抵抗やコンデンサの値が現行のモデルと比べて2、3点違うんですよ。現行に比べるとミッド感ももうちょっとある感じで、レンジ感やコンプ感もちょうど良い塩梅だと思います。#3 ENO.(⑥)は中音域のキャラクターが一番強くて、音が前に飛んでいくので、リード・トーンで使うことが多いかな。
COVE(⑦)はどんなペダルですか?
COVE(⑦)は最近Phantom EVRでローンチしたファズのプロトタイプで、今回のライブだと「Bug」だったり、ほとんどの曲のギター・ソロでも踏んでいます。ファズと言ってもジミ・ヘンドリックスがFuzz Faceを踏むようなダーティーなファズではなくて、手元のボリュームで歪み量をコントロールして、荒々しいオーバードライブみたいな感覚で使っています。“あ、ここでファズを踏んだな”とはあんまり思わないかもしれないですね。
BigSky(⑩)がメインのリバーブですが、cloudburst(⑬)はどんな時に踏んでいるのでしょうか?
cloudburst(⑬)は、オーケストラみたいなシンフォニックで荘厳な世界観にしたい時に気分で踏んでいます。
Maverick(①)は以前から愛用していますよね。「real Love/slow Dawn」のギター・ソロなどでも踏んでいたと思いますが、ほかにも使用している箇所はありますか?
実はたくさんあります。いわゆるトラディショナルなワウの使い方だけではなく、半止めにしてミッドがパキーンと張り付いたようなフィルターっぽい音を出したり、徐々に踏み込んで、クラブ・ミュージックでフィルター・ノブをキュッと回していくみたいな使い方をしたり、そういう小ワザ的ことをやっています。
戸高さんはPhantom fxを主宰していますが、ご自身でペダルを制作する際や、参加しているバンドのペダルを選ぶ時に、一貫してこだわっているサウンドはありますか?
やっぱり分離感ですかね。あとは鋭い音でもあんまり耳に痛くないとか、そういう部分です。ミッド・レンジはギタリストが避けて通れない部分だと思うので、そこも絶対重視しています。
2026年10月12日(月・祝)新代田FEVER
【Setlist】
01. FADE TO BLACK
02. MISS WORLD
03. ロリータ キルズ ミー
04. foolish
05. ミーンストリート
06. SKIRT
07. スカーレット
08. CRYSTAL
09. EVIL
10. BOY MEETS GIRL
11. Just Kids
12. 斜陽
13. ウィノナライダー アンドロイド
14. あと10秒で
15. SWAN SONG
-Encore-
16. Tenement Angel
17. ジェニファー’88
18. real Love/slow Dawn
19. Bug
作品データ

「Tenement Angel / The Fragile Song」
ART-SCHOOL
DAIZAWA RECORDS / UK.PROJECT
配信限定
2026年10月21日リリース
―Track List―
01. Tenement Angel
02. The Fragile Song
―Guitarists―
木下理樹、戸高賢史
関連記事(有料会員限定)
【本人解説】戸高賢史(ART-SCHOOL)がライブで使用する2本のギター
関連記事(有料会員限定)
【本人解説】戸高賢史(ART-SCHOOL)がライブで使用する2台のアンプ
関連記事(有料会員限定)
【本人解説】木下理樹(ART-SCHOOL)がライブで使用する2本のフライングV
関連記事(有料会員限定)
木下理樹(ART-SCHOOL)がライブで使用するFender ’65 Twin Reverb
関連記事(有料会員限定)
【本人解説】木下理樹(ART-SCHOOL)がライブで使用するペダルボード
関連記事(有料会員限定)
戸高賢史がMONOEYESのライブで使用するギターを本人が解説!
関連記事(有料会員限定)
戸高賢史がMONOEYESのライブで使用するアンプを本人が解説!
関連記事(有料会員限定)










