2026年5月にEP『合奏する、エンジン』をリリースしたThe Novembers。6月4日(木)Zepp DiverCityにて行なわれたワンマン・ライブにて、小林祐介(vo,g)とケンゴマツモト(g)の機材撮影を行なった。本記事では、ケンゴマツモトが当日使用したペダルボードを本人の解説とともにご紹介。
取材・文=森部真衣 機材撮影=星野俊
Kengo’s Pedalboard

ギターらしさとシンセ・サウンドを
両立させるペダル類
【Pedal List】
①Limetone Audio / JCB-4SM(ジャンクション・ボックス)
②1995fx / Custom Preset Volume(プリセット・ボリューム)
③One Control / Caiman Tail Loop(プログラマブル・スイッチャー)
④Papa Goriot Studios / RAPTOR(ディストーション)
⑤KarDiaN / titania v2 Prototype(ディストーション)
⑥ELECTROGRAVE / RIPPER FUZZ(ファズ)
⑦KarDiaN / CHCL3 CHLOROFORM(オーバードライブ)
⑧Keeley / MT-2 Mod. Twilight Zone(ディストーション)
⑨KarDiaN / C6H8O6 Vitamin C(ファズ)
⑩WAXX / LS-2 Mod.(ライン・セレクター)
⑪DigiTech / XP-300(マルチ・エフェクター)
⑫BOSS / CS-3(コンプレッサー)
⑬DigiTech / DigiVerb(リバーブ)
⑭DigiTech / Whammy 4(ピッチ・シフター)
⑮Moogerfooger / MF-102 Ring Modulator(リング・モジュレーター)
⑯Line 6 / HX Stomp(マルチ・エフェクター)
⑰Line 6 / DL4 Mod.(ディレイ)
⑱D’Addario / PW-CT-20(チューナー)
⑲DigiTech / Supernatural Ambient Reverb(リバーブ)
⑳Bambasic Effectribe / Volume Upper(ブースター)
㉑MXR / Micro Amp(ブースター)
㉒BOSS / FS-7(フット・スイッチ)
㉓One Control / Distro Tiny Power Distributor(パワー・サプライ)
ギターからの接続順は、まず①JCB-4SMと②Custom Preset Volumeを経由し、③Caiman Tail LoopのBJFBUF INへインプット。
③Caiman Tail Loopの各ループに接続されているペダルは下記のとおり。
・Loop 1=④RAPTOR → ⑤titania v2→ ⑥RIPPER FUZZ
・Loop 2=⑦CHLOROFORM→ ⑧Twilight Zone → ⑨Vitamin C
・Loop 3=⑩LS-2(A:⑪XP-300 → ⑫CS-3 / B:⑬DigiVerb)
・Loop 4=⑭Whammy 4 → ⑮MF-102
・Loop 5=⑯HX Stomp → ⑰DL4
・Tuner Out=⑱PW-CT-20
③Caiman Tail LoopのOUTPUTからは、⑲〜㉑へと直列に接続されたあと、再び①JCB-4SMを経由してアンプへ送られる。

②Custom Preset Volumeは、札幌発のエフェクター・ブランド、1995fxによる特注品。ボリュームとトーンを調節できるペダルで、ケンゴは両方を絞ることで倍音を抑え、輪郭のハッキリしたサウンドを作っているという。このペダルは、小林祐介(vo,g)がギター本体のボリューム・ノブとトーン・ノブを調整して音作りをしているという話題になった際、高松浩史(b)から“それができるペダルがあるんだよね”と教えられたことをキッカケに導入したそうだ。

ケンゴのメインの歪みは、④RAPTORと⑦CHLOROFORM。④RAPTORはザラついたハイが特徴のハイゲイン・ディストーションで、攻撃的なギター・サウンドを出したい時にオンにする。
⑤titania v2は、メーカーに依頼して既製品よりもゲイン量を多くしてもらったという特注仕様。甘く伸びやかなハイゲインが必要な場面で踏んでいるとのこと。

⑦CHLOROFORMは、真空管アンプを歪ませたようなサウンドがお気に入りだという。

⑩LS-2のAには⑪XP-300と⑫CS-3の2台が、Bには⑬DigiVerbがループされている。⑩LS-2は各ループのミックス量を調整できるため、AのサウンドにミックスするBのリバーブ量をここでコントロールしている。
ケンゴは以前、⑪XP-300の前後に2台のCS-3を配置し、音量の調節を行なっていた。しかし、現在使用しているNavigatorのN-LP-CTMやEdwardsのE-LP-STDは出音のレンジが広く、⑪XP-300の前段にCS-3を置くと、レンジが狭まった音に⑪XP-300のエフェクトがかかってしまうため、前段のCS-3は取りはずしたという。現在は後段の⑫CS-3のみで、コンプレッサーとしての役割のほか、トーン調整も行なっているという。

⑯HX Stompは、楽曲ごとにプリセットを作成して切り替えている。ほかのペダルでは賄えないエフェクトは、すべて本機を用いているという。㉒FS-7は本機につながれ、㉒FS-7でプリセットを切り替えている。

⑰DL4は知人にモディファイしてもらったという改造品で、筐体上部には3つのフット・スイッチが増設されている。右上側のスイッチを踏むだけでLOOP SAMPLERを呼び出すことができるため、モード・セレクターを操作する必要がない点を気に入っているそうだ。また、左側と真ん中の2つのスイッチでバンクの切り替えが可能になっており、オリジナルで搭載されている3つのプリセットを2バンクにそれぞれ保存できるため、計6つのプリセットを使用できるようになっている。
⑰DL4は「ANGELS」でリバース・ディレイを使用するほか、DIGITAL DELAYや、TAP TEMPOでディレイ・タイムを設定する際にも頻繁に活用しているという。
Interview
チューブが歪んでいる感じの音を
加えてくれるのですごく優秀です。
JCB-4SM(①)のすぐ下にあるペダル(②)は何でしょうか?
1995fxという、北海道のイケてる人たちがワンオフで作ってくれたんですけど、ギターのボリュームやトーン・ノブのような役割を持つペダルですね。(小林)祐介が“ギター側のトーン・ノブを絞るとハッキリとした出音になる”という話をしていた時、“それができるペダルがあるんだよね”と高松(浩史/b)が教えてくれて、“そのペダルを買ってくれ”と言いました(笑)。左のノブがボリュームで、右のノブがトーンの調節になっていて、時々それを使うことでボリュームとトーンを絞った状態にしてます。

Caiman Tail Loop(③)の右から二番目、“PGM1/L1スイッチ”に貼られた“Gain A”にはどのペダルがループされているんですか?
RAPTOR(④)とtitania v2(⑤)を通って、RIPPER FUZZ(⑥)につながっています。僕は“ディストーション・コーナー”って呼んでいるんですけど、キャラの違うディストーションが入っている感じですね。

メインの歪みはどれですか?
いわゆるオーバードライブとしてはCHLOROFORM(⑦)を使うことが多くて、攻撃的なディストーションはRAPTORで出すことが多いです。その2つのペダルがいわゆるギターっぽい歪みですね。
その2台の気に入っているポイントは?
CHLOROFORMは、とにかくギターの歪みの良い音がするんですよ。アンプのチューブが歪んでいる感じの音を加えてくれるのですごく優秀で、オーソドックスに使っています。RAPTORはハイがザリザリしていて、かなり攻撃的な音が出るので、激しい曲で攻撃的なギターの音を出したい時に重宝していますね。
titania v2には“Rev 2 Proto”と書かれていますが、既製品ではないんですね。
これは見た目とは裏腹に甘くて伸びやかなハイゲインのトーンで使っているんですけど、もうちょっとゲインを盛りたいなと思ったので、KarDiaNの人にお願いしてゲインの量を増やしてもらいました。
では、Caiman Tail Loopの“Gain B”にはどのペダルがループされているんですか?
CHLOROFORM(⑦)、Twilight Zone(⑧)、Vitamin C(⑨)という3つの歪みが“Gain B”にまとまっています。

XP-300(⑪)はどのように使っていますか?
LS-2(⑩)の緑(A)のチャンネルにXP-300とCS-3(⑫)がつながっていて、もう片側の赤いほう(B)にDigiVerb(⑬)がつながっています。つまりミキサーとしてLS-2を使っていて、原音にDigiVerbのリバーブを足していく感じですね。

以前はXP300を2台のCS-3で挟んで音量調節をしていましたが、1台に減らしたのはなぜでしょうか?
それはテレキャスターを使っていた時に編み出した手法で、もともとはギターからのサウンドをまとめる用途で使っていたんですよ。でも今使っているギターはレンジが広いので、CS-3でギュッと狭くなった音がXP-300に入っている印象になってしまったんですよね。
なので今はXP300の前段に置いていたCS-3をはずして、腕でなんとかしています(笑)。後段のCS-3は出音をまとめたり、TONEノブが付いているのでハイの成分を調節したりしています。
DL4(⑰)には3つのスイッチが増設されていますね。
これは知り合いにモディファイしてもらったものです。そもそも僕がDL4を使い続けているのはサンプリング機能が使いやすいからなんですけど、モード・セレクターを6時の部分までカチカチ回さないとLOOP SAMPLERにならないんですよね。なので、一番右上に付いているスイッチを押すと、一発でLOOP SAMPLERにアクセスできるように改造してもらいました。
それと、もともとDL4はプリセットが3つしかないんですけど、残りの2つのスイッチを押すことによってバンクの切り替えもできるようになっています。だからプリセットが全部で6つになりますね。

DL4でよく使っているディレイ・モードは?
「ANGELS」という曲でリバース・ディレイを使うんですけど、HX Stomp(⑯)のリバース・ディレイよりもDL4のほうが好きなんですよ。あとはDIGITAL DELAYを多用していますね。HX Stompではライブで演奏する曲ごとにプリセットを並べているんですけど、そうすると急にエフェクトをかけたい時にかけられないので、すぐにエフェクトをかけたい時とか、TAP TEMPOを多用する時はDL4を使います。
HX Stompでほかに使っているエフェクトは?
いっぱいありますね(笑)。ほかのコンパクト・エフェクターで賄えない部分を全部担ってもらっています。

2026年6月4日(木)Zepp DiverCity
【Setlist】
01. みんな急いでいる
02. November
03. 消失点
04. BOY
05. Ghost Rider
06. Xeno
07. HERO
08. The Singing Engines
09. 遥か彼方
10. 合奏 -Hold me Hold me Hold me-
11. Cashmere
12. Down to Heaven
13. Bad Dream
14. Hamletmachine
15. Morning Sun
16. Rainbow
-Encore-
17. 再生の朝
作品データ

『合奏する、エンジン』
The Novembers
MERZ
2026年5月20日リリース
―Track List―
01. HERO
02. The Singing Engines
03. 遥か彼方
04. 合奏 -Hold me Hold me Hold me-
―Guitarists―
小林祐介、ケンゴマツモト
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