古くは1894年に起源をもち、50〜60年代のエレクトリック・ギター黄金時代にも数々の名器を生み出してきたギブソン。今やそれらのオリジナル・モデルは希少なビンテージとして、やすやすとは手にすることができないのが実情だ。
しかし、ギブソン・カスタムのマーフィー・ラボ(Murphy Lab)では、ビンテージ・リイシューの第1人者として活躍するトム・マーフィー氏率いるチームにより、独自の塗装技術とエイジド加工によってビンテージの風合いを高いレベルで現代に再現。それが高い評価を得ている。
その音色は、第一線で活躍するプロの耳にはどう聴こえるのだろうか? 自身も長年にわたりヒストリック・コレクションを愛用してきたという菰口雄矢を試奏者に迎えて、エレキからアコギまでの全9本を徹底的に試奏してもらった!
【PR】 取材・文:奥田悠哉 製品解説:菊池真平 撮影:星野俊 協力:ギブソン・ブランズ・ジャパン
Presented by ギブソン・ブランズ・ジャパン
※本記事は、ギター・マガジン2024年10月号に掲載した『ギブソン・カスタム プロが絶賛する“マーフィー・ラボ”の真価』の一部を抜粋し、再編集を施したものです。
目次
- 1959 Les Paul Standard Golden Poppy Burst / Heavy Aged
- 1959 Les Paul Standard Factory Burst / Ultra Light Aged
- 1954 Les Paul All Gold / Light Aged
- 1957 Les Paul Goldtop Darkback / Light Aged
- 1963 SG Junior Polaris White Lightning Bar / Ultra Light Aged
- 1964 ES-335 Sixties Cherry / Ultra Light Aged
- 1964 Trini Lopez Standard Ebony / Ultra Light Aged
- 1942 Banner J-45 Vintage Sunburst / Light Aged
- 1957 SJ-200 Vintage Sunburst / Light Aged
- 総評
1959 Les Paul Standard
Golden Poppy Burst Heavy Aged
1959 Les Paul Standard
Factory Burst Ultra Light Aged
1954 Les Paul
All Gold Light Aged
1957 Les Paul
Goldtop Darkback Light Aged
1963 SG Junior
Polaris White Lightning Bar Ultra Light Aged
1964 ES-335
Sixties Cherry Ultra Light Aged
1964 Trini Lopez Standard
Ebony Ultra Light Aged
1942 Banner J-45
Vintage Sunburst Light Aged
1957 SJ-200
Vintage Sunburst Light Aged
Komoguchi’s Impression
ビンテージ・リイシューの結論に近いのが
このマーフィー・ラボだと思うんです。
試奏を終えての率直な感想は?
エレキからアコギまで、ギター本来のポテンシャルをぐっと引き上げている感じがしましたね。今まで様々なメーカーが創意工夫を凝らしてきたと思うのですが、このマーフィー・ラボがビンテージ・リイシューの結論に近いと思うんです。
僕自身もヒストリック・コレクションを15年弾いてきたので、マーフィー・ラボと出会った時の衝撃は凄まじかったですね。だって、“今まで何本買ったと思うんだ!”っていうくらいの完成度でしたから(笑)。ギターの鳴り自体をとにかく余すことなくアウトプットしたうえで、あとは弾き方で調整したいという人は、もう絶対にマーフィー・ラボに触れてほしいです!
マーフィー・ラボの塗装による音色への影響も感じますか?
塗装もギターの一部なので、やっぱり一緒に鳴っているわけじゃないですか。詳しい仕組みはわからなくても、これ以上はないと思うくらい音色や弾き心地がビンテージに迫っていましたね。本当に打てば響くという感じで、ストレスなく理想の音を出すことができるんです。
中でも印象に残ったのは?
全部良かったから難しいな(笑)。でもES-335は弾いていて楽しかったですし、良さを再認識しました。日本の音楽にも凄く合っていると思うし、今の若いプレイヤーが1本目に持つにはES-335が良いんだろうなと。色んなアプローチや、ジャンルレスなプレイをしている人たちには、いずれ手にしてみて欲しいです。
アコースティックはどうでしたか?
ビンテージの特徴である倍音の密度の差というか、1音を弾いた時の情報量の違いを感じられましたね。音の速さや、もたつかない感じも、今後エイジングの技術で解決されていくのではないかと思うんです。やっぱり新品ではあるので、すべてがビンテージと同じではないですが、育てていく部分も含めてサウンドの方向性が凄く似ている印象でしたね。
試奏ではボリュームとトーンを細かく調整していましたね。
僕は2ボリューム、2トーンというのがギブソンの強みだと考えていて、そこをマスターすると皆さんが思っているよりも守備範囲が広がると思うんです。これだけ音色に変化があるので、10だけで弾くのはあまりにももったいないなと。それぐらいこの4つのノブがサウンド・キャラクターを担っていると思いますね。それがマーフィー・ラボだと如実に出ていて、SGの1ピックアップでこれだけ勝負できるというのもギブソンの醍醐味だと思います。
最後に、マーフィー・ラボの魅力とは?
新品でビンテージ・ライクなものを所有できるという安心感が一番の魅力だと思います。調整もできるし、なにかあっても心のダメージが少ないじゃないですか(笑)。その意味でプレイにも集中できるわけで。ツールとしてこうしたギターが世の中に出てきていることはやっぱり嬉しいですね。
Gibson
Falcon 5
今回の試奏では、ギブソンの真空管アンプFalcon 5を使用。小型ながらパワフルかつタッチに繊細に反応するチューブ・トーンが特徴だ。
菰口はチャンネル・スイッチを“LOW”にし、クリーンではボリューム、トーン共に12時。歪みではボリュームのみ3時手前のセッティングで多彩なサウンドを奏でてくれた。
ギター・マガジン2024年10月号
表紙/FEATURED GUITARISTS 松本孝弘(Tak Matsumoto)
総力特集:黙ってソロを弾いてくれ! -王道から紐解くギター・ソロ構築論-
2024年9月13日(金)発売