ジョシュア・モバラキ(ウェット・レッグ)が2026年2月の来日公演で使用したアンプを本人が解説! ジョシュア・モバラキ(ウェット・レッグ)が2026年2月の来日公演で使用したアンプを本人が解説!

ジョシュア・モバラキ(ウェット・レッグ)が2026年2月の来日公演で使用したアンプを本人が解説!

2025年7月に2ndアルバム『moisturizer』をリリースしたウェット・レッグ。『moisturizer』ではサウンドもビジュアルも一新し、新たな世界観で多くのファンを獲得。そして2026年2月に3年ぶりとなるジャパン・ツアーを開催した。本記事では、来日公演でジョシュア・モバラキ(g,syh)が使用したアンプを、本人の解説とともにご紹介。

取材・文=小林弘昂 通訳=トミー・モリー 機材撮影=小原啓樹

Joshua Mobaraki’s Amplifier

Fender / ’68 Custom Princeton Reverb

ローを抑えるために
小型のコンボ・アンプを採用

イギリスでは60年代のブラック・フェイスBassmanをメインで使用しているジョシュアだが、今回の日本ツアーではレンタルした’68 Custom Princeton Reverbをセット。Bassmanを導入する以前から愛用しているモデルだ。12W出力で、スピーカーは10インチのCelestion Ten 30を1発搭載。

ジョシュアが本機をよく使用する理由としては、スピーカーが小さいためローが自然と抑えられることと、12W出力のため歪み始める直前のスウィート・スポットを見つけやすいからだという。

各ノブは、VOLUMEが5、TREBLEが6.5、BASSが5、REVERBが10、トレモロのSPEEDが5過ぎ、INTENSITYが10にセッティングされていた。アンプは軽く歪んでいる状態で、ここにエフェクターで歪みを足している。

基本はリバーブとトレモロをオフにし、必要な楽曲では足下に置いた専用フット・スイッチでオンにしている。この日は「Too Late Now」でリバーブとトレモロを使用。

Others

’68 Custom Princeton Reverbには、BOSSのWAZA Tube Amp Expander Core(ロード・ボックス)がつながれていた。

ジョシュアはアンプのVOLUMEノブを上げて自然な歪み/コンプレッションを得たいそうなのだが、そうするとヘンリー・チャンバースの声が聴こえなくなってしまうため、ステージ上での音量調節のために本機を導入。

Interview

歪み始める直前の
スウィート・スポットを見つけやすいんだ。

アンプは3人ともフェンダーのコンボ・アンプをよく使っていますよね。

オレはずっと小さいアンプに興味があってね。3人揃ってフェンダーを使っているのは偶然かもしれないけど、小さいコンボ・アンプは実用的なんだ。ツアーを始めた頃は自分たちだけでバンを運転して周っていたから、4×12のキャビネットとヘッドみたいな組み合わせよりも実用的なアンプを選んだというわけだね。バンのうしろに全部の機材を積むから、小さいアンプはサッと出し入れできてかなり便利だったよ。

のちに大きなステージに立つようになって、“お前らのアンプ、ちょっと小さいんじゃないか?”なんてことを言われたりもしたけど、オレはちょっとマヌケに見えてしまうくらいの小さいアンプが好きなんだ。今回のツアーのアンプは普段使っているモデルとは違うけどね。

今回の日本ツアーでリアンはSuper-Sonic 22 Comboを使っていますが、その経緯について教えてください。

直近の数回のライブで使ってみて、かなり良い音だったんだ。だから彼女は今後も使い続けるんじゃないかな。

オレはもともとPrinceton Reverbを使っていて、最近はヘスターもPrinceton Reverbを使うことがある。それとアメリカのオースティンで2×12キャビネット付きの60年代ブラック・フェイスのBassmanを手に入れたんだけど、これがまたアメイジングなサウンドでさ。今かなりのお気に入りだね。

4月12日に出演したCoachellaでジョシュアはブラック・フェイスのBassmanを使用した。

あなたはフェンダーの’68 CustomシリーズのPrinceton Reverbをよく使用していますよね。気に入っているところは?

1つは、小さいスピーカーが入っていてローが自然と抑えられていること。少しタイトなサウンドになっているんだ。ギターが3本も鳴っている状況だと、この自然なローの抑え方はすごく役立つと思う。それと歪み始める直前のスウィート・スポットを見つけやすいんだ。ヘスターはかなり声が小さいんだけど、オレのギター・アンプがラウドすぎて彼女の声よりも大きくなっちゃって、それがトラブルになっていてね。だから小さいアンプを使うのは良い作戦でもあった。VOLUMEが3〜4くらいで歪み始めて、それ以上にしてもあまりラウドにならず、ただコンプレッションが加わってさらに歪んでいく。

中音の被りも気にしていたんですね。

それでも“もっと音量を小さくしてほしい”と言われることもあってね。“ほとんどアンプから出てないんじゃないか?”っていうくらい小さい音でセッションしたことがあって、さすがにあれはすごくイライラしたよ。どうしようもないサウンドに聴こえたからね。

そこでアッテネーターを手に入れたんだけど、これがすごく役に立っている。アッテネーターを使えば自由にボリュームを設定できるからBassmanのボリュームを思い切り上げられているよ。だから今回のライブで借りているアンプは、必ずしもオレたちのサウンドを完全に表わしているわけじゃないんだ。自分たちの機材を全部は持ってこれないからね。でもペダルボードとギターはいつも使っているものだよ。

『moisturizer』のレコーディングで使用したアンプは?

オレはPrinceton Reverbを使ったけど、スピーカーは何かに交換されたものだった。プロデューサーのダン・キャリーはグレイトなアンプをたくさん持っているんだ。VOX AC30がいくつかあって、ビートルズ的なサウンドを出したい時にすごく役立ったよ。あとはマーシャルも使ったけど、何のモデルかは覚えてない。全体的にAC30が多くて、ちょっと違うアンプも使ったくらいだね。

アッテネーターはレコーディング後に導入したのでしょうか?

そう。レコーディング後に使い始めたんだ。正直に言うと、これは今まで試した唯一のアッテネーターだから、このモデルが特別に好きかどうかは言えない。オレが使っていない機能もたくさんあって、ほかの人には役立つかもしれないね。

以前はマイクへのブリード(音の入り込み)が問題で、サウンド・エンジニアが“ダイレクト・アウトがすごく便利だ”と言って、そのとおりやっていた時期もあったけど、今は変わったんだ。ダイレクト・アウトでギター・アンプをPAにつなぐのは良いアイディアだったとは思うけど、今ならどんなアッテネーターでも使えるし、ボリュームを小さくできるならこれで十分だよ。サウンドの本質に大きく影響するわけじゃないからね。

2026年2月18日(水)豊洲PIT


【Setlist】
01. catch these fists
02. Wet Dream
03. Oh No
04. Supermarket
05. liquidize
06. jennifer’s body
07. Being In Love
08. pond song
09. Ur Mum
10. pokemon
11. davina mccall
12. 11:21
13. pillow talk
14. Too Late Now
15. Angelica
16. Chaise Longue
17. CPR
18. mangetout

作品データ

『moisturizer』
ウェット・レッグ

BEATINK
BRC790
2025年7月11日リリース

―Track List―

01. CPR
02. liquidize
03. catch these fists
04. davina mccall
05. jennifer’s body
06. mangetout
07. pond song
08. pokemon
09. pillow talk
10. don’t speak
11. 11:21
12. u and me at home

―Guitarists―

リアン・ティーズデール、ヘスター・チャンバース、ジョシュア・モバラキ