ギタリストの感性と直結するエフェクター、ワウ・ペダル。ワウを駆使した表情豊かなギター・フレーズは、ロック、ファンク、R&B、ダンス、ネオソウルなど、あらゆるジャンルの中で、楽曲に彩りを与えてきた。
今回は、NewJeansのサポート・プレイも話題となったジャズ・ソウル界の注目ギタリスト、磯貝一樹に最新ワウ・ペダル11機種を試奏チェックしてもらった。キミのセンスにピッタリくる1台を見つけてほしい!
取材・文:鈴木伸明 撮影:八島崇
※本記事はギター・マガジン2025年2月号の「磯貝一樹が弾くワウ・ペダル最前線〜ネオソウルから王道ファンクまで使える現行モデル11選〜」の内容を転載したものです。
※価格は本誌掲載時のものです。

目次
- Electro-Harmonix/Wailer Wah
- Flattley Guitar Pedals/The Flattley Wah “Oil Slick”
- G-LAB/WW-1 Wowee-wah
- Hotone/Wong Press
- Ibanez/TWP10
- Jim Dunlop/LN95 / LEO NOCENTELLI CRY BABY MARDI GRAS WAH
- Morley/20/20 Classic Switchless Wah
- Organic Sounds/Org wah
- VOX/Real McCoy Wah
- VOX/V846 Vintage Wah
- Xotic/XW-2-Metallic Blue
- G-LAB/TBWP
- Keyztone/WahouWah
- 総評 by 磯貝一樹
ラインナップ
Electro-Harmonix/Wailer Wah

Flattley Guitar Pedals/The Flattley Wah “Oil Slick”

G-LAB/WW-1 Wowee-wah

Hotone/Wong Press

Ibanez/TWP10

Jim Dunlop/LN95 / LEO NOCENTELLI CRY BABY MARDI GRAS WAH

Morley/20/20 Classic Switchless Wah

Organic Sounds/Org wah

VOX/Real McCoy Wah

VOX/V846 Vintage Wah

Xotic/XW-2-Metallic Blue

G-LAB/TBWP

Keyztone/WahouWah

総評 by 磯貝一樹
最後に全11機種を踏み倒してくれた磯貝に、総評を語ってもらおう。

ワウは、アンサンブルの中でギターの存在感を打ち出せる最強のアイテム。
それぞれの個性を知るのは楽しいので、たくさんのワウを踏んでほしい!
今回試奏したどのモデルも印象的でした。それぞれに個性があって素晴らしい。
個人的な好みで言うなら、音はレオ・ノセンテリ・クライベイビー、VOXのリアル・マッコイが好きでした。Organic Soundsのビンテージ感も気持ちよかった。サポートの現場に持っていくならコンパクトで実用性も高いXoticが便利かもしれませんね。
コリー・ウォン・モデルはボリュームとしても使えるのがいいと思ったし、アイバニーズのワウの効きを細かく調整できるというのはポイントが高いと思いました。
セッションやサポート現場に何個もワウを持っていくことはできないので、オン/オフがないとか、音色が変えられないとか、不自由がある中で使うのもワウの面白いところと割り切ってます。
ただ、LEDが付いているのは便利。イヤモニで聴いているとオンかオフかわかりにくいこともあるから。そういう不便さや、大きくてボードに入らないというところも、愛おしかったりするんですけどね(笑)。
普段は、BUDDAのワウ、ジム・ダンロップのクライベイビーを使っています。最初に買ったのはVOXのワウでした。
ワウってエフェクターの中では一番オモチャっぽいと思う。自分で音色をコントロールできるし、踏み方次第でグルーヴを変化できる。シンプルなことをやってもカッコいい。バンド・アンサンブルの中でギターの存在感を打ち出せる最強のアイテムだと思います。
ほかのエフェクターは踏んだら終わりだけど、ワウは踏み続けるというのがいい。
セッションやサポートの現場では、歪みエフェクターが1~2個とリバーブ、それにワウがあったら音作りしやすいですね。
何か足りないなと思ったら積極的にワウを踏みます。まわりにバレないようにオンにしておいて、ちょっとだけトーンを変化させたり。一箇所だけワウをかけて、ディレイで飛ばすってのもよくやります。
NewJeansのライブ・アレンジで、ソウルっぽい感じにしてほしいと言われて、ただのカッティングではつまらなかったのに、ワウを加えたらすごくハマった。そういうことはよくあります。
ワウ選びのアドバイスをするなら、好きなギタリストが何を使っているか調べて、まずはそれを試してみてほしい。
違うなと思ったら、どうしてそう思ったのか考えるとワウの知識が広がっていくと思います。
今はプラグインで音を作っていくことも多いですが、実機を知るのはとても大切だと思うし、いろいろなワウの個性を知るのは楽しい。
ぜひたくさんのワウを踏んで、遊んでみてほしいです!



磯貝一樹 プロフィール
1990年、大分県出身。Kazuki Isogaiとしてソロでの活動や、NewJeans、Creepy Nuts、Def Tech、Nao Yoshiokaなど様々なアーティストのサポートやレコーディング、SANABAGUN.のメンバーとしても活動。2019年、世界最大の楽器見本市 NAMM SHOWでのデモ演奏を皮切りに海外進出し、世界を飛び回っている。
磯貝一樹が弾くワウ・ペダル最前線
- ネオソウルから王道ファンクまで使える現行モデル11選
- Electro-Harmonix/Wailer Wah
- Flattley Guitar Pedals/The Flattley Wah “Oil Slick”
- G-LAB/WW-1 Wowee-wah
- Hotone/Wong Press
- Ibanez/TWP10
- Jim Dunlop/LN95 / LEO NOCENTELLI CRY BABY MARDI GRAS WAH
- Morley/20/20 Classic Switchless Wah
- Organic Sounds/Org wah
- VOX/Real McCoy Wah
- VOX/V846 Vintage Wah
- Xotic/XW-2-Metallic Blue
- G-LAB/TBWP
- Keyztone/WahouWah

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