ギタリストの磯貝一樹が、最新のワウ・ペダル11機種を試奏する本企画。
このページではVOXのV846 Vintage Wahを紹介しよう。
取材・文:鈴木伸明 撮影:八島崇
※本記事はギター・マガジン2025年2月号の「磯貝一樹が弾くワウ・ペダル最前線〜ネオソウルから王道ファンクまで使える現行モデル11選〜」の内容を転載したものです。
※価格は本誌掲載時のものです。
VOX
V846 Vintage Wah


ロック伝説を生み出したV846を再現
トランペット奏者クライド・マッコイの名で世に出たワウ・ペダルは、ジミ・ヘンドリックスやエリック・クラプトンがいち早くプレイに取り入れたことで、瞬く間にギタリストのためのエフェクターとして認知された。
VOXのワウを製造していたイタリアの工場では、市場人気の高まりを受けて生産数が増加していき、1969年頃には“クライド・マッコイ・ワウワウ・ペダル”から“ワウワウ・モデルV846”とモデル名が変更される。
その仕様の再現を目指したのがV846 Vintage Wahだ。
ワウのトーンを作り出す要となるインダクターは、Real McCoy Wahとは異なるものを搭載。より高域が強調されてレンジの広いワウ効果を生む。
ロック黄金時代のギタリストのニュアンスを再現するために、ケースの材質にまでこだわって製作。
オリジナル・モデルと同様、電源は9Vバッテリーのみ使用できる。



ISOGAI’s IMPRESSION

少し派手で表現の幅が出しやすい
TS系のエフェクターで歪ませた音は、伝統のロック・サウンドという感じがして気持ちがいい。歪ませるとジミヘンっぽいフレーズを弾きたくなります(笑)。ただ、クリーン・トーンでソウルっぽいフレーズを弾いても、ビンテージ感が出ていい感触です。
ワウのニュアンスは、Real McCoy Wahにとても近いですが、V846のほうがいい感じに散らかる感じがします。
可変幅が少し広いのか、こっちのほうがハイのピークが上にある。トレブル寄りなので、表現の幅はV846のほうが出しやすいかも。
クリーン・トーンだけで使うならReal McCoy Wahが扱いやすいかな。
ただ、ファズフェイスみたいなエフェクターをつなぐなら、V846のほうがモコモコ感が上手く出て弾きやすいかもしれない。
ノイズも少なくて、とっても使いやすいと思う。好きですね。
ひと言で言うなら、Real McCoy Wahは素直、V846は少し派手かな。
VOX
V846 Vintage Wah
【スペック】
●サイズ:253(D)×102(W)×80(H)mm
●重量:1300g
●電源:9Vバッテリー
【価格】
41,800円(税込)
【問い合わせ】
コルグ https://voxamps.com/ja/
磯貝一樹が弾くワウ・ペダル最前線
- ネオソウルから王道ファンクまで使える現行モデル11選
- Electro-Harmonix/Wailer Wah
- Flattley Guitar Pedals/The Flattley Wah “Oil Slick”
- G-LAB/WW-1 Wowee-wah
- Hotone/Wong Press
- Ibanez/TWP10
- Jim Dunlop/LN95 / LEO NOCENTELLI CRY BABY MARDI GRAS WAH
- Morley/20/20 Classic Switchless Wah
- Organic Sounds/Org wah
- VOX/Real McCoy Wah
- VOX/V846 Vintage Wah
- Xotic/XW-2-Metallic Blue
- G-LAB/TBWP
- Keyztone/WahouWah

ギター・マガジン2025年2月号
表紙/特集
常田大希(King Gnu/MILLENNIUM PARADE)
〜鬼才に宿るギタリストとしての遺伝子
2025年1月10日(金)発売