ギタリストの磯貝一樹が、最新のワウ・ペダル11機種を試奏する本企画。
このページではVOXのReal McCoy Wahを紹介しよう。
取材・文:鈴木伸明 撮影:八島崇
※本記事はギター・マガジン2025年2月号の「磯貝一樹が弾くワウ・ペダル最前線〜ネオソウルから王道ファンクまで使える現行モデル11選〜」の内容を転載したものです。
※価格は本誌掲載時のものです。
VOX
Real McCoy Wah


元祖クライド・マッコイの再現を目指したビンテージ・トーン
最も初期に登場したギター・エフェクターは、ファズとワウ・ペダルと言われており、特にワウ・ペダルについては、1967年にVOXから登場した“ザ・クライド・マッコイ・ワウワウ・ペダル”がその元祖というのが定説だ。
クライド・マッコイは、有名なトランペット奏者で、ミュート奏法(ホーン部分を塞いでワウワウ効果を出す)に似た効果をペダル操作で可能にするエフェクターであることを宣伝するために、その名前が使われた。
初期モデルは裏蓋にいくつかのパターンがあり、クライド・マッコイの似顔絵入り(ピクチャー)、名前のみ(シグネチャー)、どちらもなし(ノーロゴ)とビンテージ市場で呼び分けされている。
本機Real McCoy Wahの裏蓋はシグネチャー・スタイル。オリジナルが持っていたトーンとワウ効果を生み出すことを目指しており、各パーツや線材までこだわり抜かれている。



ISOGAI’s IMPRESSION

これぞ王道! ワウのスタンダートというサウンドが出せます
最初に手に入れたワウはVOX製でした。X JAPANの「Rusty Nail」という曲のギター・ソロでワウが使われていて、それがどうしようもなくカッコよくて、雑誌でHIDEさんがVOXを使っているのを知って買いました。
踏んだ感じはその時に手に入れたワウとまったく同じで、馴染みがあります。
当時の現行品を買ったんですけど、ペダルの裏にクライド・マッコイさんの顔が書いてありました。
やっぱり王道というか、ナチュラルなトーンで、ワウのニュアンスを出しやすい。
踏み込んだ時のピークの高音は痛くないし、足を上げた時のローの“クワっ”というニュアンスも気持ちいい。
ビンテージ感というか、これこそワウのスタンダードというサウンドが出せますが、エフェクターの乗りもいいし、今のサウンドにも合います。
電池のみというのは、大きな会場のサポート現場で使うにはちょっと不安だけど、音は最高です。
VOX
Real McCoy Wah
【スペック】
●サイズ:253(D)×102(W)×80(H)mm
●重量:1300g
●電源:9Vバッテリー
【価格】
44,000円(税込)
【問い合わせ】
コルグ https://voxamps.com/ja/
磯貝一樹が弾くワウ・ペダル最前線
- ネオソウルから王道ファンクまで使える現行モデル11選
- Electro-Harmonix/Wailer Wah
- Flattley Guitar Pedals/The Flattley Wah “Oil Slick”
- G-LAB/WW-1 Wowee-wah
- Hotone/Wong Press
- Ibanez/TWP10
- Jim Dunlop/LN95 / LEO NOCENTELLI CRY BABY MARDI GRAS WAH
- Morley/20/20 Classic Switchless Wah
- Organic Sounds/Org wah
- VOX/Real McCoy Wah
- VOX/V846 Vintage Wah
- Xotic/XW-2-Metallic Blue
- G-LAB/TBWP
- Keyztone/WahouWah

ギター・マガジン2025年2月号
表紙/特集
常田大希(King Gnu/MILLENNIUM PARADE)
〜鬼才に宿るギタリストとしての遺伝子
2025年1月10日(金)発売